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僕の教則本・教則ビデオを公開します!(29)

【ジャズギターの金字塔(スタンダード編)/布川俊樹 】

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 僕の師匠「布川さん」の書いたジャズ・ギター教則本で多分ベストセラーと言ってもいい教則本ですので、知らない方はいないだろうと思いますが一応紹介しておきますね。

 この教則本で「よくできているなー」と思うのは、初級~中級~上級までオールターゲットってことですね。初級~中級の方は基礎練習~コード・ワーク~ソロの部分を中心に学習して、付属のCDを布川さんのスタンダード・アルバムとして楽しむことができると思いますし、上級者はCDの演奏が譜面&タブ譜があるのでそれを参考にがっつりと布川さんのプレイを研究することができます。全て譜面にはタブ譜や指板図が付いているので、譜面に弱い人も平気です。

 僕はどう使ったかというと、教則本と言うより純粋に師匠のプレイを楽しんだって感じですかね。何だかんだで4年近くの長きに渡り月一ペースで通っていたので、今更細かいことを教則本から教わらなくとも目の前で盗んでいましたから。この本を買った頃は既に僕はもう布川さんのレッスンは通っていなかったので、このCDを聴いて、「布川節」を久々楽しんだ・・・そんな感じでしたね。

 布川さんは世代がほぼ同じこともあって、書いていることの全てが腹落ちしますし、今の若手ギタリスト達が「忘れている何か」を教わることができる素晴らしいギタリストだと思うのです。「忘れている何か」とはここには書きません。自分で布川さんに教わって感じ取ってください(笑)。

 誰ですか?「あなたは布川さんから何を学んだのですか?」なんて失礼な質問をする人は?!

 聴く人が聴けばわかりますよ。表面的には僕と布川さんとは正反対に聴こえるかもしれませんが、フレーズや方法論レベルで随分と影響を受けていることが!!

 絶対おすすめです!!!

僕の音楽史(79)

【大学1年生(1980年~81年)】

 「えっ?絶対音感?何それ?」

 僕はこの時まで「絶対音感(ある音を単独に聴いたときに、その音の高さ(音高)を記憶に基づいて絶対的に認識する能力)」という能力がこの世にあることを知りませんでしたし、内容を聞いても簡単に信じることができませんでした。音というのは時報、音叉やピアノを使って合わせるものとずっと思っていました。

 「秋山一将」さんを徹底的にコピーして研究しようと既に発売済みであったセカンドアルバム「ビヨンド・ザ・ドア」を購入しました。このアルバムはファーストと違い、バンド感を強く打ち出していて、キーボードの笹路正徳さんやベースの濱瀬元彦さんが参加していて日本のフュージョンバンドの中では随分とジャズ寄りで硬派なサウンドで、同じく夢中になりました。秋山さんのギターは相変わらずジャジーで、骨太で、ブルージーで僕の好みのサウンドが全て凝縮されていました。

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 ファーストに収録され、当時の秋山さんの代表曲「アイ・ビリーブ・イン・ユー」での彼のアドリブ演奏をコピーするために、コード進行を確認する必要がありました。この曲はジャズ・スタンダードのオーソドックスな進行ですから、今なら音感の悪い僕でも楽器があれば簡単に取れるレベルのものですが、ジャズ・スタンダードの進行も全く分からない当時の自分にはコピーは不可能でした。

dig my style


 ライトのレギュラー練習が始まる前に部室にいたピアノ・プレイヤーのE(3)年の「寺さん」に恐る恐る声を掛けます。当時はレギュラー・メンバーの中でもD(2)年の方々はジュニア・バンドの練習にも参加していましたから、C(1)年の僕でも気軽に話しかける機会もありましたが、E年、F年の先輩には話す機会も少なく非常に声をかけづらい感じは正直ありました。


 「すみません、寺さんは音を聴いたらコード進行がわかるって聞いたんですが、コード進行を取ってもらえますか?」

 と勇気をもって質問します。いきなりそんなことを後輩から話しかけられて少しびっくりした様子でした。


 「いいよ、部室にラジカセあるからもってこいよ。あと五線紙も・・・」


 僕はカセットテープをラジカセにセットし、曲の頭出しをして寺さんに渡しました。

 なんと、再生をしながら、いきなりコード進行を鉛筆でスラスラと書き出します。



 「スゲー、これが絶対音感という能力か!」



 なんと、再生されたカセットテープをほとんど一時停止することなく、あっという間にコード進行を採ってしまいました。

 「できたよ、聴こえたテンションは一応書いといたけど、よく聴くともっと違う音が入ってるかもしれない。家で確認してみて」って
 家で確認できるくらいなら頼んだりはしません(笑)。

 この時以来、練習の合間に色々話しかけるようになりましたし、何曲か採譜を頼んだような記憶があります。

 ある時、どこまで聴き分けられるか確かめたくなり、レギュラー練習の合間にピアノで僕が適当に10本指でガーンと鳴らして音を聴き取れるか試してみた事があります。低い音から順番に全部聞き取ることができ、目が点になってしまったことがとても印象に残っています。

 「自分にも身につけることができないものか」と色々な本で調べてみましたが、この年では手遅れと知ってがっかりしました。

 この能力、ライトでもう一人D年のピアニスト、久野さんが持っていることも後になって知りました。

 「人の声が音程に聴こえる時がある」
 「パチンコ屋に入れない。気が狂ってしまう」
 「乾杯!とグラスを合わせる音が音程に聴こえる」等々

 飲みに行った時にお二人からこんな話を聞いて、「大変だなー」と思う反面大変うらやましく思いました。
 
 
 大学1年で初めての定期試験も終わり、夏合宿の事を耳にするようになりました。この時点での僕の気持ちはこうですね。

 「なんとか夏まで持ったな・・・・。」
 
 

ジャズギター裏口入学(17)

【まずどんな曲から練習を始めるか(2)】

 今回はブルースについて何から始めるかって話です。

 ブルースについては、どの曲もほとんどコード進行的には違いはないので、問題になるのはキーだけかなと思います。前回書いたように「B♭」「F」優先的に選ぶとよいと思います。ぱっと思いあたるのはB♭だと「ブルー・モンク」、Fだと「ストレート・ノー・チェイサー」「ビリーズ・バウンス」なんかがありますが、ブルースの場合は何でもよいと思います。

 テーマの練習ですが、これはブルースに限らず共通のやり方と思うのですが、まず「単音」でしっかり弾けるようになることが大事と思います。あと、音域を1オクターブ上げたり下げたりしても弾けるようにしておきましょう。何故かと言うと、ブルースのテーマをソロの中で引用したりするにはどこの音域でも弾けることが必要ですし、他の楽器とのアンサンブルによっては上げたり下げたりが必要になる時があります。

 単音で弾けるようになったら、曲によってはハモリ(3度や6度)、オクターブ、譜割を変えるなどちょっとだけアレンジしてみると良いと思います。これには、自分が選んだ曲を演奏している何人かのギタリストの演奏をコピーし、おいしいどころ取りをするのが一番と思います。一人で練習していたり、ギターだけのジャム・セッションに参加しているとあまり感じないと思いますが、ギターの生音は管楽器に比べ細くてしょぼいです。中級以上のレベルになれば逆にそれを利用してしまうのですが、初心者だとなかなかそうはいきません。単音だけで聴かせるには、相当の覚悟(笑)が必要となってきます。

 ソロに関しては、とにかくコピーしたらどんなブルースにも応用できるはずですので、キーだけ確認してどんどんコピーしていけばよいと思います。

 とにかくブルースが自分のフレーズのストックを増やす一番の題材と思います。

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僕の音楽史(78)

【大学1年生(1980年~81年)】

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 ギター・ワークショップVol.2を早速自宅に帰って聴くことにします。4人のギタリストのうち全く聴いたことのない「秋山一将」さんの演奏している「レッド・バロン」に真っ先に針を落とします。
  
 頭をトンカチでひっぱたかれた衝撃を受けました。理由ははっきりとはわかりません。でも次の3つのことかな?と後で振り返ってみると感じます。


 ひとつめは秋山さんのギターに強力な「ブルース」や「ソウル」を感じました。

 もうひとつは秋山さんのギターで初めて「アウトの気持ちよさ」を実感しました。

 みっつめは「ジャズ」を感じました。


 「ブルース」「ソウル」、そもそもこの言葉の定義など明確にわかっていたわけでもないですし、本場の「ブルース」など聴いたことはないわけですから何故こんな気持ちを持ったのかはわかりません。でも、昔、クリエイションの竹田和夫さんを聴いた時に感じた同じ思いを秋山さんのギターに感じました。 

 レッドバロンのギター・ソロの最初の方でいわゆる「アウト・フレーズ」を弾きます。もちろん当時は「アウト」なんて感覚もありませんでした。初めて聴いた時は「あれ?、間違ったのかな!?」と思ったりしましたが、それにしてはかっこよすぎますし、グッときます。後に理論書で「アウト」っていう言葉の意味や概念を知るのですが、意識して聴いたのは秋山さんのレッド・バロンの演奏が初めてでした。

 みっつめは「ジャズ」、そして「黒っぽいシャズ・フィーリング」を感じました。今まで聴いた日本人ギタリストでは「渡辺香津美」さんにももちろん「ジャス」を感じていましたし、カシオペアの「野呂一生」さんのも同じ思いも持っていました。「リトナー」にも同様でした。でも、彼らはすごく「都会」って感じがしました。もちろんそれも嫌いではなかったのですが、秋山さんにはなんか彼らにはない「土臭さ」を感じ、その虜になってしまいました。

 今まで、何から、どうやってジャズ・ギターを勉強したら良いかがわかりませんでしたが、とりあえず照準が定まりました。

 「秋山さんを徹底的に研究してみよう」

 まずは発売済みのファースト・アルバムの「ディグ・マイ・スタイル」を買いました。想像以上に素晴らしいギターアルバムでした。そんななかでも1曲目「アイ・ビリーブ・イン・ユー」を聴き、それはもう涙が出るほど感動しました。

dig my style


 「彼の様に弾けるようになりたい!」と思い、まずはフレーズ・コピーを本格的に始めることにしました。ジャズ、フュージョン・ギタリストで本格的にコピーを始めたのは秋山さんが初めてです。

 ただ、コピーしながら考えました。

 「ロックと違いジャズやフュージョンのギター・ソロはいくらフレーズをコピーしても、曲のコード進行がわからないと他の曲にフレーズの応用が効かないな」
 
 これがロック・ギターを独学している時との大きな違いで、挫折しかかっている理由でした。

 ロックは基本ギターソロは7thコード一発のペンタトニックがほとんどで、コード進行など気にせずにコピーしたフレーズがどんどん自分のストックとなって違う楽曲に応用することができました。意識するのは「キーが何か?」だけでした。それに比べ、ジャズはコード進行が複雑で、それがわかっていないと、コピーしても他の曲にフレーズを応用することができません。



 ライトの1年上の先輩でレギュラー・ベーシストであるタダシさんに、練習の時にそんな事をそれとなく話をすると返答が返ってきます。

 「寺(テラ)さんに聴かせて譜面書いてもらえばいいじゃん?絶対音感あるから。」


 「えっ?絶対音感?何それ?」


 つづく・・・・・・。

Phrase Database (6)

 今回はマイク・スターンです。

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マイクについてはそんなに数は聴いていないですが、ある特定のアルバムについてはがっつりコピーしましたね。

 彼はとにかくディストーションでギンギンの方ばかりが注目されがちですが、ペダル踏む前のクリーン・トーンでの8分、16分音符での律儀なフレーズはまるで教則CDのようです。

 上のフレーズ、なんてことはないB♭キーのⅡ-Ⅴ-Ⅰのフレーズですが、二小節目のクロマチックな動き、ジョー・パスを研究した痕跡がありですね。

 かっこいいフレーズばかりコピーするのではなく、こういったなんてことはないフレーズのストックを増やしていくことが、結果かっこいいソロになるのではと思います。

僕の音楽史(77)

【大学1年生(1980年~81年)】

 ライトの友人川島君から「ウェザー・リポート行かない?」と誘われて観に行きました。どういう経緯でそんな話になったかは、実は全く記憶にありません。なんとこの時、僕は「ウェザー・リポート」も「ジョー・ザビヌル」も「ジャコ・パス」も「ウェイン・ショーター」も全く聴いたことがないという音楽的には全くもって情けない状態でした。今振り返ると、この時のウェザー、ジャコ・パスは絶頂期、「大学一年の時にウェザーを観たぜ!」と言うと、ミュージシャン仲間は皆「まじ!うらやましい!」と言いますが、僕は残念ながら全くの予備知識もなく足を運んだので、全くと言っていいほど記憶にありません(泣)。どこで見たかも思い出せません。印象に残ったのは2つだけ、開演が30分近く遅れたのと、ベーシスト(ジャコ・パストリアス)がロック・ギタリストの様に音を歪ませてソロ・パフォーマンスを延々やっていたのと、動き回ったりステージ袖に消えたりとちょっと様子が変だったことです。この後ウェザーに注目するのはもう少し後「ブラック・マーケット」「ヘヴィ―・ウェザー」「8 : 30」を聴くまで待つことになります。

photo of the concert

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 ライトの練習は一応はさぼらずに参加していました。先輩のプレイ観察で随分とジャズのノリやアーティキュレーションの良し悪しや自分の好みなどがわかってきましたが、自分のギター・プレイは相変わらずパッとしませんでした。それどころか、ジャズっぽく弾こうと変に意識してしまい、中途半端なプレイでかえってレベルは後退している感じでした。

 こんな状態の少しジャズに嫌気がさしている中、久しぶりにカシオペア以外のフュージョンを聴こうかなと思い、レコード屋を物色していた時に、下のレコードを見つけました。

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 「あれ、ギターワークショップVol2?高校の時にVol1は聴いたが、Vol2が出ていたんだ。これはライブだぞ!」

 「メンバーは・・・・?森園勝敏、大村憲司、山岸潤史・・・あれ?渡辺香津美でなくて秋山一将・・・??」

 この「秋山一将」さんとの音楽的な出会いが僕のジャズ・ギター上達の突破口となり、今でも僕のギター・プレイに大きな影響を与え続ける事となるのです。

 つづく・・・・。

 
 

 

Pat Martino奏法研究(64)

【第7章】 グルーブの秘密(3)

前回の続きで、今度はもう少し長いフレーズで解説します。

下の譜面を見てください。前回同様に手書きの曲線は「音の強弱」や「感情移入の度合い」を表す曲線とお考え下さい。

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 まずはどんなフレーズか弾いてみますね。下の動画です。



 分割して弾いて説明します。まずは1小節4拍目から2小節め3拍めの最初の16分音符G音までです。

 1小節目の3つ16分音符は2小節目からのフレーズの前振りのようなフレーズです。したがって、音量も小さく、一音一音はっきり弾くのではなく、ゴーストノートになってしまうくらいな感じで始めます。2小節目からいよいよ始まります。出だしのB音はアタック強めに弾きます。フレーズ全体の粒立ちをよくして、ダレた感じにならない効果があります。B音をアタック強く弾いた後のA♭音はこのフレーズの中で一番小さな音です。次のAナチュラルの音の経過音でもありますから、ほとんどゴーストノートです。そして、この音からフレーズの音程が上昇とともに音量もなだらかに上がっていき、一旦G音で一回目のピークを迎えます。下の動画を参考にしてみてください。



 G音でピークに達した音も次のB音で急降下、リセットで新たな坂を上っていきます。下の動画を参考に。



 この2回の山登り、これがかれのノリ、グルーブを生み出す秘密のひとつ目です。一回目の上りは「落ち着いた」気持ちで、そして山頂を目の前に崖から落とされた状態での2回目の挑戦、これは「ちくしょー!上ってみせる!」といった感じです。うまく説明できないですし、まだまだ自分でも弾けていると思っていませんが・・・・。ただ、「ちくしょー!」とはいっても、速度が速くなってはいけません。あくまで「感情移入」や「気持ちの込め方」の事をいってます。そして3小節目のこのフレーズの山頂であるB音(C音はハンマリングによる装飾なので、ここではB音が頂上と言ってます)を頂点として、音程が下がると同時になだらかな下降曲線をたどっていきます。下の動画を参考にしてみてください。また、3小節目のの3拍めの16分音符C-E-B-DのE音は多少アクセントをつけます。音の高低差とCは3弦5フレット、E音は2弦5フレットで異弦同フレットことも理由ですが、歯切れよく聴かせるためです。
 
 最後に、適当にそれっぽいフレーズを弾いてみますので、全体感の参考にしてください。




 まー、「言うは易し行うは難し」ってことで聴いていただければ(笑)。

 ではでは!


僕の教則本・教則ビデオを公開します!(28)

【Jazz Guitar Licks In Tablature 】

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かなり学習した形跡が見られますが、どこで、どういう目的で購入したのかが全く記憶にないのです(笑)。外国本の翻訳ものですね。

 内容は、ホールトーン・スケールにある程度特化して、それを使ったリック、そしてブルースやマイナー7thコードにそれを当てはめた例が全80ページに渡って解説してあって、全てのフレーズがタブ譜と模範演奏のCD付きですのでわかりやすいいですね。

 面白いのは、リックを「1弦から始まるリック、2弦から始まるリック・・・・」とはポジション(?)別にリックやフレーズを分類しているところですね。これ、凄く実用的と思います。

 パット・マルティーノとスティーブ・カーンがこの本の推薦状を書いています。そんな関係か、マルティーノ風のフレーズが沢山散りばめてありますし、個人的にホール・トーンとディミニッシュのサウンドは大好きですので、そんな理由からこの本を購入したのではないかと思います。

 それにしても、こんなに学習した痕跡があるにもかかわらず、全くこの本の事について覚えていないという事は、僕はいよいよボケてきたのかもしれませんね(笑)。

ジャズギター裏口入学(16)

【まずどんな曲から練習を始めるか(1)】

 ジャズ初級者のギタリストの皆さんはアドリブ演奏のためのフレーズ練習と同時に何か曲(テーマ)を弾く練習をすると思いますが、どんな曲からやって良いか迷うことがあると思いますので、自身の経験から僕なりの意見を書いてみます。正解はないと思いますから、あくまで参考という事でお願いします。

 まず「好きになれる曲」「気に入った曲」であることが大前提となるのですが、ここではあくまで「ジャズギターを効率よく学べて、つまづきにくく、即戦力となる優先順位」みたいに考えてください。この「つまづきにくく」ってのが凄く重要となってきます。

 僕は下のような大きく4つに分けて課題曲を選んで並行してやっていくといいと思います。

 (1)ブルース
 (2)一発もの
 (3)有名なスタンダード
 (4)それ以外の自分でやりたい!と思う曲等


やはり、バランスってのが大事と思います。例えば、「苦手なブルースを練習して、きつくなってきたら得意の一発モノ!」「練習にちょっと疲れたからとりあえず好きな曲やろう!」みたいにやることが、長続きのコツと思います。「ブルースを攻略したら次はスタンダードだ!その次は・・・」みたいに順序立ててやっていくと「ブルースで挫折したので、結局ブルースしか弾けなくて・・・」みたいなことが起きてしまいます。

 じゃー(1)~(4)の課題曲でどんなものを選んだら良いかというと次のように考えます。

 (1)ブルース
まず、キーは「F」「B♭」の曲を優先的に選びましょう。何故かはわかりますよね?ジャムセッションで必ずといっていいほど演奏されるので実践的です。テーマが比較的簡単な奴が良いと思いますし、テーマは弾けなくともアドリブ演奏の練習はこの2つのキーでみっちり練習した方が良いと思います。あと、ギター的に「F」は1フレット人差し指のポジション、B♭は6フレット人差し指のポジションが一般的で、ネックの端と真ん中のポジションの両方を練習することができるのでギターの奏法的にもとても有効です。

 (2)一発もの
ジャズでは圧倒的に「マイナー7thコード一発」が多いので、まずはこれからがいいと思います。ロックをかじってきたギタリストはもう「普通の7thコード一発」はできる人が多いと思いますので。

 (3)有名スタンダード
キーはやはり「F」「B♭」、それに加えて「E♭」「C」「G」で演奏することが一般的なスタンダードを選ぶとよいと思います。「Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ」のチェンジが短い小節の中に詰め込まれている楽曲はなるべく避けて、鼻歌でゆったりと歌えるテンポでの演奏が多い楽曲が良いのではと思います。

 (4)自分でやりたいと思う曲
 説明不要ですね。

 「循環は?」っていう人がいると思いますが、僕の経験上は(1)~(3)をある程度弾ける段階でやり始めると良いのかな?と思います。大体「循環」の曲はテンポが速いのが多いです。A部分はコードが小刻みにコードチェンジしますので、まんま弾こうとするのは初級者に難しいですし、逆に「一発もの」感覚で弾けてしまいます。また、B部分のV7の連結はジャズ初級者やロック系の方にはなじみがないコードチェンジで難しく感じられるので、行き詰まる人も多いと思います(僕もそうでした)。

 次回はそれぞれの「具体的な楽曲と学習の仕方・ポイント」を書いてみようと思います。

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僕の音楽史(76)

【大学1年生(1980年~81年)】

  先輩達の演奏する姿に目をやると、今まで見たことのない先輩がアルトサックスを吹いていました。

  「あれ、誰だろう?」

  「お前、知らないの?あの人が淳平さんだよ!!」

  「????」



  「お前知らないの?」って言われたって、知るわけはありません(笑)。でもC年(1年生の事ですね。ちなみに2年はD年、3年はE年、4年はF年です。わかりますよね?)では、僕ともうひとりピアノのT岡さん以外はなんと皆彼の事を知っていたのです。知っているどころか、色々話を聞いてみると、なんとトロンボーンの川島もアルトの小林もバリトンサックスの佐藤もなんとこの「淳平さん」の演奏を入学前に聴いたことがライトに入部するきっかけとなったことのようです。また、以前もこのブログにも書きましたが、カシオぺアに参加することになった神保さんとライトとは別にコンボで活動していて、音楽的なイニシアチブをとっていたのが、どうやら淳平さんらしいってこともわかりました。

 「淳平さん」に何故今まで気が付かなかったのかはわかりませんが、想像するに彼はF年だったので就職活動かゼミの関係かなにかで今まで練習に出ていなかったのではないかと思います。

 そんな話を練習中に聴かされたので、彼の吹くアルトに耳を集中して聴いてみました。今なら一聴してその凄さがわかったのかもしれませんが、正直その当時はまだジャズもアルトも数えるほどしか聴いていなかったので、わかりませんでした。でも、一緒に吹いていたサックスセクションの先輩たちが妙に緊張している風にも感じられましたし、先入観かもしれませんが独特のオーラを感じました。

 練習が終わって、追加の情報を色々聞かされました。細かくは覚えていないのですが、印象に残ったのは次の2つです。

 まず、「山野ビッグバンドコンテスト」ってやつが、毎年夏にあり、ライトを含め学生ビッグバンドはそれに向けて日々練習している。要は高校野球で言えば、「甲子園」みたいなものであるが、そこで「淳平さん」は「最優秀ソリスト賞」を取ったという事。

 もう一つは、サックス・セクションが練習前のウォーミングアップで吹いていたロングトーンやスケール練習、フレーズ練習は彼が自作し、コピーして配布したものであったこと。




 一つ目に関しては、彼と同じアルトサックス奏者の同僚小林君にコンテストの生録演奏テープを後日借りて聴きました。確か「アイ・リメンバー・バード」だったと思います。もちろんその時の演奏テープは今聴くことはできませんが、先ほどYoutubeで「オリバー・ネルソン」のテイクを聴いて記憶がよみがえりました。確かカデンツァ~フラジオのテクニックと迫力の演奏にジャズをわからないなりにも驚愕した記憶があります。

 もうひとつの配布されたウォーミングアップ譜面は僕もコピーさせてもらい、ロングトーン以外の部分はギターでも使えたので、十数年に渡って僕も使っていました。先ほどちょっと探してみましたが、見つかりません。後でゆっくりと探してみようと思います。



 ライトの練習、はっきり言って僕にとってはあまり面白くなく、そろそろ「辞めようかな?」と考えだしていた時期ではありましたが、レギュラーの練習の時は、淳平さんのアルトを聴いて「他の人たちと何が違うのか(ほかの方々、すみません!)」を分析しようと考え、もう少し頑張ってみることにしました。

 ライト出身の方もこのブログを読んでくれているようですので、白状します。

 同僚や先輩たちは僕の事を「ライトに対しては不真面目!」と感じてたと思います。確かに表面上は不真面目な態度でやってましたが、音楽的には一番ストイックにやっていたと思います。僕はこのくらいの時期から、その時その時で、特定の先輩や同僚を心の中で「酒の肴」にして、「ノリがイマイチだね」「すげー、どうやったらあんな演奏ができるんだろう?」などなど、演奏していない間も常に研究していました。そして、気が付いたことは自宅で自分のギターで実践してみたりしていました。ジャズは当時はこれっぽちも弾けませんでしたが、高校時代までロックをやっていて、一時まで「天才ギタリスト」なんて言われてたプライドを引きずっていて容易にあきらめきれなかったのだろうと思います。

 だから、ライトを辞めなかったのですよ!

アルトサックス
プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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