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ジャズギター裏口入学(16)

【まずどんな曲から練習を始めるか(1)】

 ジャズ初級者のギタリストの皆さんはアドリブ演奏のためのフレーズ練習と同時に何か曲(テーマ)を弾く練習をすると思いますが、どんな曲からやって良いか迷うことがあると思いますので、自身の経験から僕なりの意見を書いてみます。正解はないと思いますから、あくまで参考という事でお願いします。

 まず「好きになれる曲」「気に入った曲」であることが大前提となるのですが、ここではあくまで「ジャズギターを効率よく学べて、つまづきにくく、即戦力となる優先順位」みたいに考えてください。この「つまづきにくく」ってのが凄く重要となってきます。

 僕は下のような大きく4つに分けて課題曲を選んで並行してやっていくといいと思います。

 (1)ブルース
 (2)一発もの
 (3)有名なスタンダード
 (4)それ以外の自分でやりたい!と思う曲等


やはり、バランスってのが大事と思います。例えば、「苦手なブルースを練習して、きつくなってきたら得意の一発モノ!」「練習にちょっと疲れたからとりあえず好きな曲やろう!」みたいにやることが、長続きのコツと思います。「ブルースを攻略したら次はスタンダードだ!その次は・・・」みたいに順序立ててやっていくと「ブルースで挫折したので、結局ブルースしか弾けなくて・・・」みたいなことが起きてしまいます。

 じゃー(1)~(4)の課題曲でどんなものを選んだら良いかというと次のように考えます。

 (1)ブルース
まず、キーは「F」「B♭」の曲を優先的に選びましょう。何故かはわかりますよね?ジャムセッションで必ずといっていいほど演奏されるので実践的です。テーマが比較的簡単な奴が良いと思いますし、テーマは弾けなくともアドリブ演奏の練習はこの2つのキーでみっちり練習した方が良いと思います。あと、ギター的に「F」は1フレット人差し指のポジション、B♭は6フレット人差し指のポジションが一般的で、ネックの端と真ん中のポジションの両方を練習することができるのでギターの奏法的にもとても有効です。

 (2)一発もの
ジャズでは圧倒的に「マイナー7thコード一発」が多いので、まずはこれからがいいと思います。ロックをかじってきたギタリストはもう「普通の7thコード一発」はできる人が多いと思いますので。

 (3)有名スタンダード
キーはやはり「F」「B♭」、それに加えて「E♭」「C」「G」で演奏することが一般的なスタンダードを選ぶとよいと思います。「Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ」のチェンジが短い小節の中に詰め込まれている楽曲はなるべく避けて、鼻歌でゆったりと歌えるテンポでの演奏が多い楽曲が良いのではと思います。

 (4)自分でやりたいと思う曲
 説明不要ですね。

 「循環は?」っていう人がいると思いますが、僕の経験上は(1)~(3)をある程度弾ける段階でやり始めると良いのかな?と思います。大体「循環」の曲はテンポが速いのが多いです。A部分はコードが小刻みにコードチェンジしますので、まんま弾こうとするのは初級者に難しいですし、逆に「一発もの」感覚で弾けてしまいます。また、B部分のV7の連結はジャズ初級者やロック系の方にはなじみがないコードチェンジで難しく感じられるので、行き詰まる人も多いと思います(僕もそうでした)。

 次回はそれぞれの「具体的な楽曲と学習の仕方・ポイント」を書いてみようと思います。

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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