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マイナー・コンバージョン・コンセプト実践編(5)

【 枯葉(5)】

●Am7(♭5)

 ペースが遅くてすみません。師走なもんで珍しく仕事が立て込んでおりますw

 さて続く5小節目のAm7(♭5)ですが、これはマイナー・コンバージョンのもっとも大事な部分の一つです。

 このマイナー7thフラット5thのサウンド、僕が学生時代のめり込んでいたツェッペリンやディープ・パープル等に代表される70年代ロック・ミュージックには全くと言っていいほど使われないサウンドでした。ロック・ミュージックはパワー・コード中心に組み立てられていたサウンドが多く、1度と5度のみで重厚なサウンドを出すのが当時のブリティッシュ・ロックの定番でしたので、♭5thは殆ど聴くことができまなかったのだと思います。
 一方、その後のめり込んで言ったフュージョンにはかなり多用されていて、この「哀愁漂うサウンドw」にのめりこみましたが、どうやって攻略するのか、何を弾いたら良いのかが全くわかりませんでした。

 一般的にはマイナー7thフラット5thは「ロクリアン・スケールを弾く」と理論書には書いてありますが、本の音符をひとつひとつ弾いてみても馴染みのない感じでピンときません。

 こう考えてはいかがでしょうか?

 Am7(♭5)は Cm /Aと考えます。Cmトライアド(C・E♭・G)の下でA音を鳴らすと、これは紛れもなくAm7(♭5)なので、Cのマイナー・スケール、しかもA音があるのですからCナチュラル・マイナーではなくCドリアン・スケールがしっくりきます。

 下の動画はAm7(♭5)上でCドリアン・スケールを使って演奏しています。



 1小節目から考えると、ここまでは極端な言い方すると全部「Cm」と考えて弾けてしまいます。

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マイナー・コンバージョン・コンセプト実践編(4)

【 枯葉(4)】

●B♭△7ーE♭△7(→Cm7 Cドリアン)

 B♭△7は前回まででCm7(Cドリアン)もしくはGm7(Gドリアン)にコンバージョンって話をしました。次のE♭△7をどう考えるかというと、C ≒ Am7 (C / A)ですからE♭≒ Cm7(E♭/C)と考えれますよね?したがって、ここもCm7(Cドリアン)にコンバージョンしてしまいます。

 すると、どうでしょう?前々回の解説で①Cm7(Cm7) - F7(Cm7) - B♭△7(Cm7)という説明をしましたが、なんとE♭△7を含めて4小節全てがCm7(Cドリアン)にコンバージョンして弾けてしまいます。

 この4小節Cm7ーF7-B♭△7ーE♭△7を全てCm7(Cドリアン)にコンバージョンして弾いたものが下の動画です。



 また次のの動画は、前回解説のCm7(Cm7)- F7(F#m6)- B♭△7(Gm7)にE♭△7(Cドリアン)を追加して4小節弾いています。



 違いわかりますか?

 最初の動画はV7→Iというドミナント・モーション感が希薄ですよね。当たり前です。全てCドリアンで弾いているわけですから。一方、動画2のV7で半音上のマイナーを弾くことはV7のオルタード・テンションを弾くことになり、ドミナント・モーションの動きが強力に出ます。

 また、B♭△7をCm7(Cドリアン)にコンバージョンする時とGm7(Gドリアン)にコンバージョンする場合との違いを感じてください。Gm7(Gドリアン)にコンバージョンすると、時折出てくるEナチュラル音で「おや?」と感じると思います。

 この違いをしっかりとつかんでください。

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マイナー・コンバージョン・コンセプト実践編(3)

【 枯葉(3)】

【 Cm7ーF7-B♭△7 】
 ②Cm7(Cm7)- F7(F#m6)- B♭△7(Gm7)

 前回ではこの3つのコードは上のようなコンバージョンではなく「全てCm7に置き換えてCドリアンで弾けますよ」って話でした。

 どう感じましたか?

 全て同じスケールなんで簡単で良いですが、一方単調で、「コードが変わった感」が希薄です。いわゆる「Ⅰに解決」みたいな、もっと言うと「ジャズっぽい」感じがあまりありません。

 今回はCm7は相変わらずそのままCドリアンを使いますが、F7にはF#m6にコンバージョンして、F#ドリアンを使ってみます。なぜ?の人は以前の投稿マイナー・コンバージョン・コンセプト(11)〜(13)を見てください。復習のためにもう一度書いておきます。

 F7はⅤ7→テンションを加えてF7♭9♭13→最低音をF#にするとF#m6

 思考回路は上の通りですが、「V7は半音上のマイナーが弾ける」と機械的に覚えてください。下の動画をご覧になってください。「F7♭9♭13→最低音をF#にするとF#m6」の部分を弾いています。



 次、B♭△7→Gm7のコンバージョンですが、ここは(7)(8)をご覧ください。注意点ですがGm7にコンバージョンした時はGナチュラル・マイナーを弾かず、Gドリアンを弾いてみてください。具体的に言うと、E♭を弾かずにEのナチュラル音を出してみてください。このテンション感と言うか、アダルトな魅力に取り憑かれたらあなたはもうジャズ・ギタリストにはまっていきますよw

 で、続けてCm7(Cm7)- F7(F#m6)- B♭△7(Gm7)のように弾いて見ると下の動画のようになります。



 ここでのE音はB♭△7の構成音としては♯4thにあたり、テンション感がかなりあります。以前も書いたかもしれませんが、マイナー・コンバージョン的に言うと、この部分は「B♭△7の♯4thを弾く」のではなく「Gm7にコンバージョンしてGドリアンを弾く」と言うことになり、僕もその様な思考回路になっているわけです。結果出てくる音は同じなのですが、マイナー・コンバージョン的発想はよりスケールライクなフレージングとなって、それがメリットでもあり、デメリットでもあるわけです。

スクリーンショット

マイナー・コンバージョン・コンセプト実践編(2)

【枯葉(2)】

 前回の投稿からなんと約1か月以上もたってしまっています(汗)。すみませんです。今後はなるべくコンスタントに書いていこうと思います。

 お約束通り、まずは「枯葉」の最初の「Cm7ーF7-B♭△7」の部分におけるコンバージョンについて書いていきます。

【 Cm7ーF7-B♭△7 】
 ①Cm7(Cm7) - F7(Cm7) - B♭△7(Cm7) 

 まずは全てCm7にコンバージョンするやり方です。

 まず、枯葉は「B♭メジャー」と「Gマイナー」という「メジャーとマイナーの関係調」が交互に出てくる曲で、この部分はB♭メジャーの部分です。したがって、「Cm7ーF7-B♭△7」はB♭メジャー・キーの「Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ△7」であるという事がまず前提として頭に入っていなくてはいけません。
 
 まず、「Cm7」のところですが、もともとマイナーですからマイナーにコンバージョンする必要はなく、「Cm7のまま」と考えてください。そして、適用するスケールは「Cドリアン・スケール」です。順にC→D→E♭→F→G→A→B♭→C.....の音列です。これが体に染みついていない方は、まずはここからです。また、今後解説の中での中でマイナー7thは断り書きがない限りドリアン・スケールを適用して弾くこととします。

 「F7」は「Cm7にコンバージョンして、またまたCドリアン・スケールを弾く」ことができます。「なんで?」と言う方はこのコーナーの(9)(10)を復習してみてください。ギターの指板を使って解説しています。これで理解出来たら機械的に「Ⅱm7-Ⅴ7はⅡm7-Ⅱm7と考えてⅡドリアン・スケールで弾ける」と覚えてしまいましょう。

 「B♭△7」も「Cm7にコンバージョンして、またまたCドリアン・スケールを弾く」ことができます。これは僕の頭の中ではコンバージョンと言うよりもむしろ「B♭△7はB♭イオニアン(B♭から始まる移動ドのドレミ)で弾けて、Cドリアンと同じ構成音だから」と考えていますので、コンバージョンと言えないかもしれません。

 結局この3小節は全てCm7と考えて「全てCドリアンスケール」で弾けてしまうわけです。下にその演奏例がありますので、ご覧になってみてください。



 次回は同じこの3小節で違うコンバージョンを解説していきます。

 お楽しみに!

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マイナー・コンバージョン・コンセプト実践編(1)

【 枯葉(1)】

 予告した通りマイナー・コンバージョンの実践編を始めようと思います。

 実践編というのは今までお話しして来たコードや数小節単位のコンバージョンを実際の楽曲の中でどう適用していくかを解説していくものです。決して新たな内容や難しい話ではありません。むしろ復習に近いものです。理論に疎い僕が難しい話ができるわけもありませんのでご心配なく(笑)。マイナー・コンバージョンの解説をしながらこの考え方で有名なパット・マルティーノの奏法的なことにも触れながら解説を進めて行きたいと思います。

 曲は何にしようか迷ったのですが、季節柄、そして必ずジャズ・プレイヤーが演奏する「枯葉」にすることにしました。その後は他のスタンダードやブルース、循環などを取り上げていこうかなと思います。また、元になる譜面は下のGマイナー(B♭メジャー)キーの一般的な進行のものにしようと思います。それでは始めます。

 まず、マイナー・コンバージョンといっても「コードひとつひとつ単体で何にコンバージョンするか?」を考えるのではありません。どういうことかというと、「Cm7は何にコンバージョン?F7は何にコンバージョン?B♭△7は何に...?」っといったことではないということです。「そのコードが楽曲の中でどういう位置付けか?」もっと具体的に言うと「同じ7thコードでもⅤ7なのか?Ⅱ7なのか?」は最低わかっていないとダメです。機能によってコンバージョン先が違ったりするのが理由です。そう言う意味で「必要最小限の理論」は把握しておく必要があります。したがって「枯葉」は最初の4小節Cm7ーF7ーB♭△7はキーがB♭メジャーのⅡーⅤーI、次の4小節Am7(♭5)ーD7ーGm7はキーがGマイナーのⅡーⅤーIが理解できていないとダメということです。枯葉は基本この2つの繰り返しですから、これだけ把握できていれば今回のお話に十分についてくることができます。

 次回は最初の3小節の解説に早速入ることにします。

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に師事し、各種コンテストにも参加。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。2014年夏より活動を再開。現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブ活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」や「ジャズギター裏口入学」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方に「Skype」で教えています。レッスン頻度は教わる皆様に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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