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質問箱(6)

僕のソロ・ギター道場の動画を見た方がFacebookで下のようにコメントを書いていただきました。

【質問】
 武田 謙治さんのような、手首の柔らかいピッキングが理想なのですが。音の粒も揃っていて美しいです。ピッキングの上達にはどの様な練習が良いのでしょう?宜しければご教示頂けませんか?

【回答】
 ありがとうございます。ピッキングについては昔から非常に大きなコンプレックスがあります。少し質問の回答から離れてしまうかもしれませんが、書いてみようと思います。

 僕はもともとツェッペリンやパープルなどが大好きなロック・ギタリストでした。したがって、手首をブリッジに固定して、手首のスナップを聞かせてグリグリ弾きまくるタイプでした。ダウン・ピッキング中心でアタックも強かったと思います。自分で言うのも何ですが、すごく厚みのある音で良い感じだったと思います。

 高校に入った頃からフュージョンが流行し、僕もリトナーやカールトンが好きになったのですが、僕のようなピッキングでは彼らのような早いパッセージは弾けるようになりませんでした。
 大学時代にカシオペアのライブに行き、野呂さんのピッキングを見て愕然としました。ピックを親指と人差し指でつまみ、指先をクネクネさせて弾いていました。手首から下は全く動かないのです。無駄な動きがないので速く弾けるのだと思いました。それからというもののずっとそのピッキングを練習し続けましたが、結局はできるようになりませんでした。
 ジャズをやりだした頃にジョージ・ベンソンのあの速いパッセージに憧れ、逆アングルのピッキングも練習しましたが、やはりこれもダメでした。手首が慣れない角度のためか疲労してしまい、数年くらいしか続けられませんでした。
 メセニーのピッキングも随分参考にしました。親指、人差し指、薬指の3本でピックを支え、雨垂れ形のピックの丸い方で弾くというやつ。今の僕は3本指では押さえていませんが、丸い方で弾くやり方は音が太くまろやかになるので、これだけは今も続けています。

 色々試行錯誤してきましたが、結局は僕の原点である弾き方「手首をブリッジに固定し、手首のスナップを効かせて弾く」というフォームに戻ってしまいました。ただ、ピックの持ち方は先ほど書いたように「雨垂れ形のピックの丸い方で弾く」やり方です。

 エコノミー・ピッキングの早弾きにも憧れましたが、あの弾き方ではジャズの8分音符のノリが出せないことがわかりました。あのやり方で、8分音符のグルーブが出せているギタリストは、僕の知る限りいません。僕の場合は、ある特定のフレーズや3連の時以外はオルタネート・ピッキングです。

 僕の右手のフォームはピックの形状や弦に当てる場所は違いますが、パット・マルティーノに似ている気がします。映像を見て研究したことはないですが、ずっとあのノリや音を何とか自分のものにしようと弾いてきているので、結果として似てきたのだと思います。

 手首が柔らかいとお誉めいただいたのですが、僕のように手首から下を動かす弾き方では、ホールズワースに代表されるあんな感じの早弾きは絶対できませんし、早弾きどころか「トレモロ」ができません。したがって、マンドリンや「ハイウェイ・スター」は弾けませんw。ただ、僕はそれより8分音符のグルーブを選択しました。

 ただ、自分の動画を改めて見てみると、最近少し右手のフォームが変わってきているみたいです。手首をブリッジに軽く固定はしていますが、一箇所に固定するのではなく、1弦から6弦に向かうときに手首の位置もそれに合わせて少しづつ移動しているようです。こうすることで、手首から下の動きが以前よりは少なくなり、弦に当たるピックの角度が1弦〜6弦全てほぼ同じ角度になって、音の粒が揃ったのだと思います。ここ数ヶ月は多少早く弾けるようになったと感じるのもこのおかげかもしれません。あと、使用ピックは昔からですが、フェンダーのExtra Heavyの雨垂れ形。どこにでも売ってる1枚100円のやつです。

 長くなってしまいましたが、色々と考えずに、その時その時で目指すギタリストの音を何とか再現しようと試してみるのが良いのではないでしょうか?正解はないと思いますので。

 ピッキング練習でいうと、もしエコノミー・ピッキングでないのであれば、やはりメトロノームに合わせ、アップダウンで少しづつ速度を上げていくのが通り一遍ですが有効な練習なのではないかと思います。また、音の粒を揃えるには、先にも書きましたが、全ての弦に当たるピックの角度が一定であることが必要なので、先のメトロノーム練習の時に常に右手を見ながら角度に気をつけて練習するのが良いのではと思います。

 こんな感じでよろしいですか?

 ありがとうございます。

 頑張ってください!


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質問箱(5)

 久々の質問箱です。レッスンをしている生徒さんからのものです。

【質問】 
 コードに合わせたスケールを弾いてアドリブを組み立てていますが、音は外さないものの、ちっともコード感のあるソロが弾けないのですが、どうしたら良いのでしょう?

【回答】

 まず「コード感のあるソロ」ってどう言うものでしょう?

 生徒さんに突っ込んで聞いてみると「コード進行が感じられるソロ」もう少しわかりやすく言うと「バッキングなしでたった一人で弾いていてもコード進行が感じられるソロ」ということでした。僕なりに解説してみます。

 例えば「Dm7ーG7ーC△7(ⅡーⅤーⅠ)」という進行があったとします。Dm7のアベイラブル・ノート・スケールはDドリアン、G7はGミクソリディアン、C△7はCイオニアンです。これ、始まる音が違っても要はドレミファ....です。したがって、ただドレミファ...を弾いていれば、音は外しませんが、コード感は感じられません。それが下の動画ですね。

 

 じゃ、この動画はどうですか。ほんのちょっとだけですがコード感が感じられますよね。何が違うのでしょう?



 ちょうどコードがDm7からG7に変わる時に「C → B」、G7からC△7に変わる時に「F → E」出しています。逆に言うとたったそれだけです。理論的に解説するとDm7の時のC音は7thの音、G7のB音は3度の音です。要は「7thで不安定になり3度で安定」という動きです。同様にG7の時のF音は7thの音、C△7のE音は3度の音、これも同じく「7thで不安定になり3度で安定」です。これがコードの変化を感じることができるようになる一つ要素です。

 誤解しないでくださいね。「こうすることが良い」とか「こうしないとダメ」ってことではないですから。「コード感に縛られず、素朴にドレミ..で歌う」ということの方が難しく、むしろかっこよかったりします。

 毎回このような動きをすることなどないのですが、ソロの要所要所にこのような動きを散りばめることで、全体としてコード進行が感じられるソロになるのでは?と思います。
 

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質問箱(4)

取り上げるのに多少時間がかかってしまいました。
頭の中はギター買う事でいっぱいだったものですから.....(笑)。

【質問】
マイナー・コンバージョン解説のシリーズ化ありがとうございます!いつも楽しみに拝見しています。

前回oleoをマイナー・コンバージョンで考えるとどうなるかをお教えいただいたのですが、ブルース進行をマイナー・コンバージョンで考えるとどう弾く事ができる・どう弾いておられるかをまた記事等でお教えいただけませんでしょうか。。


【回答】
 
 あらかじめお断りしておきますが、動画はあくまで解説動画ってことで、「良いアドリブ演奏」ということではありませんので誤解のないように。

 一箇所を除いて、ほぼマイナーコンバージョンをベースに弾いています。僕はもともとブルース、ロック系のギタリストなので、普段弾くときはここまで極端にはやりませんね。いや、やるな(笑)。お客さんがパットのことを知っている場合、こう言う弾き方すると喜んでくれるんで、これ見よがしに弾いたりします(笑)。



 解説します。Fがキーの普通のブルースです。

F7/B♭7/F7/F7/B♭7/Bdim/F7/D7/Gm7/C7/F7/C7のごく普通の進行です。

これを

Cm7/Fm7/Cm7/Cm7/B♭7/Bm7/Am7/A♭m7/Gm7/Gm7/F7/C7

みたいな感じで弾いていますね。

最初は4小節はそれぞれF7→Cm7、B♭7→Fm7でコンバージョンして、ドリアンモードの16分音符で弾き切ります。そして、4小節目のCm7からクロマチックに下ってきて、5小節目のB♭7はコンバージョンしないで、B♭のブルース・スケールで一旦締めます。あとはBdim→B♭7→Bm7(B♭7のオルタードテンション?が入ってると考えてBm7にコンバージョン)。ここから一気にマイナー7thのドリアンでGm7までクロマチックで降りて来ます。最後はまたFのブルーススケールで締めています。

「ブルース」なので、要所要所にコンバージョンしないで、ブルーススケールを使って弾くことが多いです。マルティーノもそうですね。

 質問受け付けています!お気軽にどうぞ!!!


【ギター教えます】

興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com


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質問箱(3)

前回の続き、2つ目の質問にお答えします。

【質問】
マイナーコンバージョンはスローテンポでも成立しますか?
速ければ速いほど調性に曖昧さが許容される故のマイナーコンバージョンでは
無いのかと思ってしまうのです。

【回答】
 良い質問ですね。ある意味その通りだと思います。

 パット・マルティーノのマイナー・コンバージョンの方法論は結構徹底していて、マイナー7thに置き換えた後、基本どんな場合もドリアンスケールを弾きます。ドリアン以外にマイナーのスケールにはいくつか種類があるのはみなさんご存知と思いますが、彼の場合はマイナー7thに置き換えた後はほぼ全ての場合でドリアンで弾きます。したがって、例えばキーがCの時の3度マイナー7thであるEm7のときもEドリアンを弾きます。結果、どういうことが起きるかというとEドリアンの特徴的な6度音程C#音を弾くことになります。CのキーでC#音を弾くわけですから、強力な違和感です。ただ、彼の場合はバラードやミディアム以下のテンポの場合は8分音符ではなく倍テンの16分音符主体で弾ききってしまいますので、「えっ?!」と感じた次の瞬間、時間軸はもう通り過ぎてしまっています。そして、この「えっ?」が妙にカッコよかったりします。これを16分ではなく8分だとすると、うまいことやらないと強力な違和感が残ってしまいますね。

 こんな感じで答えになってますか?この違和感を逆手にとって、カッコよく聴かせるのが個々のセンスによるところで、難しい部分でもあります。


 質問受け付けています!お気軽にどうぞ!!!

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質問箱(2)


同じく下の動画を見てくれた人が次の様な質問をしてくれました。



【質問】
マイナーコンバージョンで弾く場合、どこまでコードトーンを見ていますか?
実例を聞いているとよくあるバップ的なコードトーン!という演奏とは離れて、
「スケールを怒涛のごとく弾いている!けれどグルーブの軸がずれない音使い」のようなものを感じます。

マイナーコンバージョンはスローテンポでも成立しますか?
速ければ速いほど調性に曖昧さが許容される故のマイナーコンバージョンでは
無いのかと思ってしまうのです。


ありがとうございます。2つともとても良い質問だと思います。今回は最初のコードトーンの話の方にお答えしようと思います。

【回答】
 僕の場合は、3ー6ー2ー5や2ー5ー1をベースに作られたスタンダードについては、ほぼマイナー・コンバージョンで考えて弾くことが多いです。そして、その時に「コード・トーンを考えていますか?」と言われれば「答えはノー」ですね。

 C△7と譜面に書いてあると、みなさんはどう考えて弾いていますか?


 C△7→コードトーンはCEGB→コードーンを中心に弾いて.....→9th(D)や#11(F#)のテンションも使えるな!


 こんな感じで頭で考えているのでは?と思いますが、いかがでしょう?


 僕の頭の中ではこうです。


 C△7→Am7にコンバージョン→Aドリアンを中心にAm7で使えるフレーズのストックからソロを組み立てよう!


 簡単に言うと、こんな感じです。したがって「C△7のコードトーンを考えているか?」と言う質問には「考えていません」が答えになってしまいます。ただ、Am7で使えるフレーズはAドリアンだけではなく(ここでは説明しませんが)色々なスケールを使ったフレーズがあって、それらのフレーズをC△7にあてはめに行くので、コードトーンのみならず結果として色々なテンション、場合によってはアウトな感じも弾くことができます。

 コードトーンから少し離れますが、例えばCの#11のF#音なんかは、「Cの#11thを弾く」と言う感覚ではなく「Aドリアンスケールを弾いた結果F#音を弾く」という感じです。僕の頭の中は少なくともこうです。「許せない!」と感じる方はいますか(笑)?

 いいじゃないですか?結果F#を弾くことに変わりはないのですから。



 次回は2つ目の質問について書こうと思います。

 
プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に師事し、各種コンテストにも参加。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。2014年夏より活動を再開。現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブ活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」や「ジャズギター裏口入学」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方に「Skype」で教えています。レッスン頻度は教わる皆様に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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