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Pat Martino奏法研究【完全版】 第6章 Phrasel&Groove(8)

 「ダークなサウンド」ということで、2回ほど解説してきましたが、話が少しタイトルとずれていたので、フレーズやグルーブの話に戻します。

 彼の「グルーブ」というか「ノリ」「歌いまわし」「アーティキュレーション」について、僕なりに理解していることを話していこうと思います。まずは下の動画を2つご覧ください。両方とも酒バラのテーマ頭8小節です。





 どちらがMartino風に聴こえますか?当然2番目の方ですね。最初の動画は誰風でもなく、特に意識せず弾いたものです。ハーモニーはともかくとして、一般的に「酒バラ」というと、こんな感じで弾くと思います。

 何が違うのでしょうか?どう弾くとMartinoっぽく聴こえてくるのでしょうか?

 1つ目は音程です。最初の動画に比べ、テーマのメロディーが一オクターブ低いです。彼は多くの人が弾くであろう音程の一オクターブ低く弾くことが多いです。4~6弦を中心にテーマを弾くことで、太いサウンドを生み出します。彼はご存じのように、極太の弦を張っていますので、なおさらのことと思います。

 2つ目、彼はテーマのメロディーをハーモナイズしません。単音で歌い上げます。しかも、「男っぽく」歌い上げます。僕の動画、単音で弾くことはやっていますが、「歌い上げる」部分は参考にはなりませんのでw

 3つ目、要所要所に、合いの手のように「ザッ」って感じでコードを入れてきます。ハッとさせられますし、これも男っぽさの一つでしょう。思い切りよく入れてきます。凝った和音は鳴らしません。必ず5~6弦がルートの一般的なコードを鳴らします。

 4つ目、テンポにもよりますが、多少レイドバックした感じ、結構ぎりぎりまで音符の時間的な長さを長く弾きます。僕の動画ではメトロノームを鳴らしていませんので、少しわかりにくいと思います。また、時間的だけでなく、裏拍をしっかり感じさせる弾き方をするので、実際の出音がためた感じに聴こえてくるのだと思います。これが、音数が多いのに、せわしく無く聴こえない秘密と思います。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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