Pat Martino奏法研究【完全版】 第6章 Phrasel&Groove(8)
彼の「グルーブ」というか「ノリ」「歌いまわし」「アーティキュレーション」について、僕なりに理解していることを話していこうと思います。まずは下の動画を2つご覧ください。両方とも酒バラのテーマ頭8小節です。
どちらがMartino風に聴こえますか?当然2番目の方ですね。最初の動画は誰風でもなく、特に意識せず弾いたものです。ハーモニーはともかくとして、一般的に「酒バラ」というと、こんな感じで弾くと思います。
何が違うのでしょうか?どう弾くとMartinoっぽく聴こえてくるのでしょうか?
1つ目は音程です。最初の動画に比べ、テーマのメロディーが一オクターブ低いです。彼は多くの人が弾くであろう音程の一オクターブ低く弾くことが多いです。4~6弦を中心にテーマを弾くことで、太いサウンドを生み出します。彼はご存じのように、極太の弦を張っていますので、なおさらのことと思います。
2つ目、彼はテーマのメロディーをハーモナイズしません。単音で歌い上げます。しかも、「男っぽく」歌い上げます。僕の動画、単音で弾くことはやっていますが、「歌い上げる」部分は参考にはなりませんのでw
3つ目、要所要所に、合いの手のように「ザッ」って感じでコードを入れてきます。ハッとさせられますし、これも男っぽさの一つでしょう。思い切りよく入れてきます。凝った和音は鳴らしません。必ず5~6弦がルートの一般的なコードを鳴らします。
4つ目、テンポにもよりますが、多少レイドバックした感じ、結構ぎりぎりまで音符の時間的な長さを長く弾きます。僕の動画ではメトロノームを鳴らしていませんので、少しわかりにくいと思います。また、時間的だけでなく、裏拍をしっかり感じさせる弾き方をするので、実際の出音がためた感じに聴こえてくるのだと思います。これが、音数が多いのに、せわしく無く聴こえない秘密と思います。