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ジャズギター裏口入学(38)

【 譜面の把握(4)】

  譜面(コード)の把握の仕方で皆さんに強調しておきたいことがあります。先の「ⅡーⅤーⅠを見つける」に通じる話ですが、とにかく「譜面のコードをどんどん横に読み進める」ということです。

 「枯葉」を例に説明するとこうです。「Cm7はF7のためにある、F7はB♭△7のためにある、B♭△7はE♭△7のためにある・・・・・以下続く」でということです。

 コードの「進行」と言うくらいですから、一つのコードネームだけを切り取って考えて「さて、この小節(コード)は何を弾こう」などと考えてはいけません。譜面の左から右へと音楽は時間とともに進行していきます。「今皆さんが見ているコードは次のコードに進むための通過点」だということです。こう考えることによって、「曲を大きく(おおまかに)把握する」ことができます。

 枯葉を題材に説明してみると、Cm7→F7→B♭△7→E♭△7→Am7♭5→D7#9→Gm7、この進行をひとつひとつのコードに着目して考えるのではなく「スタートはCm7、エンドがGm7」とだけ極端に考えてしまいます。「終わりよければ全て良し」じゃないですが、どんなに途中「あらぬ方向」に行ってしまっても「終着駅Gm7にしっかりたどり着けさえすれば、オーケー」とも言えるのです。

 以上、「譜面の把握」について、譜面のほとんど読めない僕が解説しているので、全く説得力はないのですが、皆さんに強く言いたいことは「大まかに把握しなさい」「先に読み進めなさい」と言う2つのことですかね。

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ジャズギター裏口入学(40)

【 譜面の把握(3)】

 今回は「譜面の把握」とは少し離れるかもしれません。「把握しました、でも弾けません」を克服する練習のアイディアです。

 まず、簡単なB♭のⅡーⅤーⅠのフレーズを弾いて見ます。



 このようなフレーズをコピーあるいは教則本で覚えたら指癖にするために何百回も弾いて練習すると思うのですが、その時に上の動画のようにⅡーⅤーⅠのコード・サウンドを鳴らしてからフレーズを弾くようにします。目的の2つ。

 まず、耳に「このフレーズはⅡーⅤーⅠのフレーズです。」となじませることです。もうひとつはⅡーⅤーⅠのコード・ポジションや押さえ方とフレーズの指使い、フレットのポジションなどを結びつけておくためです。

 この練習を繰り返し行うことによって、コードを弾いた時に、あるいはサウンドを聴いた時に自然と指がコードに合ったフレーズを弾くように動いてくれるようになっていきます。もちろん、数ヶ月やったところで効果なんか出ません。それこそ何十年もかかります。

 もうひとつは、これは以前も話したかもしれませんが、コピーしたフレーズをジャズでよく使う代表的なキーで弾けるように合わせて練習します。これも下の動画のようにコードを弾いてからキーを変えていきます。下のようにB♭のⅡーⅤーⅠのフレーズを弾いたら、それを代表的なC→E♭→Fと転調して指を馴染ませます。



 もうひとつ紹介します。まずはB♭のⅡーⅤーIのフレーズ。



 下のようにただフレーズを平行移動するだけでなく、音を1オクターブ下げて弾いたりすると、指の形が全く変わったりするのでとても良い練習になります。



 譜面の理解や把握も結局は上手に弾けるようになるために行うのものであって、弾けなければ把握・理解できていないのと同じです。
 
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ジャズギター裏口入学(39)

【 譜面の把握(2)】

 調号でキーがわかったら・・・そっから先を書きます。わかりやすく「枯葉」で説明してみます。

 とりあえずフラット2つの調号でメジャーならB♭、マイナーならGマイナーであることがわかりますね。次に頭の中で考えることは、コード進行をざっと見渡してⅡーⅤーⅠらしきものを探していきます。勿論、キーが決まった時のⅡーⅤーⅠを知っていなくてはいけません。以前もお話ししたように、「譜面が読めません」と「Cm7がⅡの時、V7は??」なんてことを「えっと、えっと・・・」なんて言っているようでは、ギターの練習前にまずそっちの方を勉強してください。

 「枯葉」に話を戻しますと、こうやって譜面を見渡すと「Cm7-F7-B♭△7」「Am7♭5-D7♯9-Gm7」がいろんなところで出てきます。それぞれはB♭メジャー、GマイナーのⅡーⅤーⅠですから、これで「B♭メジャーとGマイナーが交互に出てくる曲だ」ってことがわかります。そして、B♭メジャーとGマイナーは「関係調」ですから、極端なこと言ってしまうと「B♭でのドレミ・・・(もしくはGのマイナー・スケール)を弾いていれば取り敢えずオーケーってことがわかります。

 ぱっと譜面を渡された時に、このくらいまではものの数秒くらいで把握する必要があります。これができるためには♭や♯の数とキーの関係やⅡーⅤーIのコードネームはすぐに浮かんでくるようになっていなくてはいけません。

 さあ、ここまで頭の中で分析ができても「弾けません・・・」って人が沢山います。アマチュア・ギタリストはこう言う方々が大半といっても良いくらいです。何を隠そう、僕も20代前半くらいまではそうでした。それをある練習を意識してやるようになってから数年かけて克服していきました。

 次回はその辺を動画を使って解説しようと思います。

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【ジャズギター裏口入学(38)】

【 譜面の把握(1)】

 バンドのメンバーから知らない曲の譜面をポロっと渡され、「さて、音出してみましょうか?!」っと言われた時のことを想定してみてください。演奏前に、まずどうやってその曲を把握しますか?

 これから何回かにわたって「譜面にめっぽう弱い」僕なりの譜面の理解の仕方について書いていこうと思います。ほとんどは「楽器縛り」の内容ではありませんが、ところどころギター特有の部分も出てくるかもしれません。



 まずは、キーは何かを確認しますよね、きっと。親切に「Key of E♭」なんて書いてくれていれば良いのですが、書いていない場合に備えて調号(♭や♯の数)でKeyがわかるようになっていなければいけません。

 「譜面は全く読めない」と言っておきながら素晴らしいギタリストは沢山います。こんな話を聞いて、アマチュアの人の中には「音楽理論」や「譜面」なんて必要ない!て思う人が中にはいますが、これは大きな勘違いです。彼らが「譜面は全く読めない」と言ってるのは、大抵の場合「初見がダメ」、要は、「譜面を渡されて音符を見ながらスラスラ弾けない」ということを意味していることが多く、決して「調号やコーダなどの記号の知識がない」とか「音符を見てドレミがわからない」、ましてや「タブ譜しか読めない」なんて人は絶対にいません。ピアニストは幼少の頃ピアノ教室に通っていた人がほとんどですから、譜面が読めない人などほとんどいませんが、ギタリストの中には学校の音楽の時間など全く興味の対象外で、大きくなってから楽器を始めた方も多く、本当に「全く読めない」人も少なくありません。パンクやフリー・ジャズみたいな音楽のみを演奏するならともかくとして、ジャズギターを演奏できるようになるには、自分なりの速度で読めたり理解したりできなければ絶対に弾けるようにはなりません。

 僕も人に聞かれると「譜面が読めません」と答えます。楽器を始めた小学校の頃は本当に読めないと言って良かったと思います。でも、今の「読めません」は先ほど書いたように「初見では全く弾けませんが、自分なりの速度で譜面を理解し、最終的には譜面を見ながら弾ける」ようになりました。

 もし読者の中で「全く譜面や音符の知識がない」「タブ譜しか読めない」人がいたら、ギターの練習に先駆けてまず、譜面や音符がゆっくりでも読めるようになって下さい。

 次回は「調号でキーが確認できた!」その後の譜面理解のための思考回路について書いてみようと思います。

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ジャズギター裏口入学(37)

【効果的・効率的な練習とは(3)】

 今回は練習時間の話です。

 僕はサラリーマンです。会社で働きながら音楽活動をしています。「リーマン・ギタリスト」で一番問題になるのは「練習時間をどう確保するか」でした。

 今は世の中的に「残業は悪!」という時代になって、割と仕事も定時であがれることが多くなり、逆に仕事が溜まっていても残業できなくて困るような時代になりましたので、音楽活動には好都合です。しかし、僕が20〜50代前半くらいまでは、仕事がシステム関係のこともあって、残業は当たり前でしたし、時には夜勤や休日出勤の時も結構頻繁にありましたので、なかなかまとまった練習時間が取れませんでした。また、たまに時間が取れても、精神的にも疲れていたので、練習する気になれませんでした。じゃ、どうしていたかというと、普段はまとまった練習することをあきらめて、「テレビドラマの音楽に合わせて適当にアドリブで弾く」ということを行い、とにかく「毎日短時間でも楽器に触ろう」と考えました。こんなことをもう30年以上続けています。僕はこの練習方法を「ながら練習」と言ってました。

 この練習でのメリットです。とにかく色々な音楽に合わせて弾くことになるわけですから、逆に「自分の苦手なジャンルやキー、リズム等」が明確になります。それを、休日中のまとまった練習時間が取れる時に研究します。
 もうひとつ大きなメリットとして、曲の進行を予想する力や間違った時の修復する力が養われる気がします。全く知らない曲に合わせて弾くわけで、進行も転調も全くわからないわけですから、自分の演奏が曲と時には大きく外れてしまいます。そんな時の瞬間の対処をする力はライブでの実践力を身につけさせてくれます。

 一方、デメリットです。家族には確実に嫌がられます(笑)。幸い我が家は音楽一家で、かみさんも子供もピアノ弾きですから、比較的理解がある方です。それでも誰だってドラマは落ち着いて見たいものです。さすがにもう諦めてくれたようですが(笑)、今でもテレビのボリュームが少しづつ大きくなってきたりします。
 もうひとつ、知らない音楽に適当に合わせているわけなので、先ほどの話のように実践力は身につきますが、自分の今現在の力量で演奏しているわけですから、技術的に上手くなるわけではないです。ただ、いつも触っていることによって「下手にはならない」とは思いますが。

 下の動画は、テレビドラマの音楽に合わせて弾いているものではなく、同じ部屋で電子ピアノを弾いている子供の演奏に合わせて弾いているもので、多少シチュエーションは違いますが、こんな感じにやれば良いのです。



 皆さんもお試しあれ!

ながら練習




 
プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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