【ジャズギター裏口入学(38)】
バンドのメンバーから知らない曲の譜面をポロっと渡され、「さて、音出してみましょうか?!」っと言われた時のことを想定してみてください。演奏前に、まずどうやってその曲を把握しますか?
これから何回かにわたって「譜面にめっぽう弱い」僕なりの譜面の理解の仕方について書いていこうと思います。ほとんどは「楽器縛り」の内容ではありませんが、ところどころギター特有の部分も出てくるかもしれません。
まずは、キーは何かを確認しますよね、きっと。親切に「Key of E♭」なんて書いてくれていれば良いのですが、書いていない場合に備えて調号(♭や♯の数)でKeyがわかるようになっていなければいけません。
「譜面は全く読めない」と言っておきながら素晴らしいギタリストは沢山います。こんな話を聞いて、アマチュアの人の中には「音楽理論」や「譜面」なんて必要ない!て思う人が中にはいますが、これは大きな勘違いです。彼らが「譜面は全く読めない」と言ってるのは、大抵の場合「初見がダメ」、要は、「譜面を渡されて音符を見ながらスラスラ弾けない」ということを意味していることが多く、決して「調号やコーダなどの記号の知識がない」とか「音符を見てドレミがわからない」、ましてや「タブ譜しか読めない」なんて人は絶対にいません。ピアニストは幼少の頃ピアノ教室に通っていた人がほとんどですから、譜面が読めない人などほとんどいませんが、ギタリストの中には学校の音楽の時間など全く興味の対象外で、大きくなってから楽器を始めた方も多く、本当に「全く読めない」人も少なくありません。パンクやフリー・ジャズみたいな音楽のみを演奏するならともかくとして、ジャズギターを演奏できるようになるには、自分なりの速度で読めたり理解したりできなければ絶対に弾けるようにはなりません。
僕も人に聞かれると「譜面が読めません」と答えます。楽器を始めた小学校の頃は本当に読めないと言って良かったと思います。でも、今の「読めません」は先ほど書いたように「初見では全く弾けませんが、自分なりの速度で譜面を理解し、最終的には譜面を見ながら弾ける」ようになりました。
もし読者の中で「全く譜面や音符の知識がない」「タブ譜しか読めない」人がいたら、ギターの練習に先駆けてまず、譜面や音符がゆっくりでも読めるようになって下さい。
次回は「調号でキーが確認できた!」その後の譜面理解のための思考回路について書いてみようと思います。
