僕の音楽史(171)
吉祥寺コンテストで何を演奏したかというと「There Is No Greater Love」を演奏しました。なぜこの曲を演奏したかというと、テープ審査の返信に入っていた沢田駿吾氏のコメント「以前からスタンダードジャズも一度聴いてみたいと思っていた・・・・」を意識してのことです。
テープ審査では「All The Things You Are」でした。この曲を演奏すると当時の僕の演奏は、どうしても「メセニーのパクリ」になってしまいますw。皆さんはどう思ったかわかりませんが、実際テープ審査に送ったテイクは思いっきり影響を受けた演奏と思います。一方、「There Is No Greater Love」なら、僕は少なくともギタリストの演奏は聴いたことがないので、「誰々風」の演奏にはならないので良いかなと考えました。沢田さんは「ジャズギターの王道」とも言うべき演奏をする方です。審査テープの演奏についてはたまたま評価は貰えましたが、本当はもっとオーソドックスなプレイが好きなはずだと思いました。この曲ならミディアムでゆったりと弾けば、ジャズ・ギター王道的な演奏もできないことはないなと考えました。自分と同じタイプの演奏を嫌だなと思うはずがありませんw。また、審査員として名前を連ねていた評論家本多俊夫さんも、オーソドックスな演奏を好むと考えました。審査員の中に向井滋春さん(トロンボーン)がいて、彼がどんな好みかが想像がつきませんでした。渡辺香津美さんとのキリンや彼のリーダー・アルバムを聴く限り、比較的コンテンポラリーな感じもしましたが、変な話、審査員の力関係的に沢田さんと本多さんのふたりに気に入って貰えばオーケーと考えましたw。
そして、やるなら徹底的にオーソドックスに演奏しようと思いました。イントロもエンデイングもなし、ギターのテーマから入って、ギター・ソロ〜ピアノ・ソロ〜ベース・ソロ〜8バース〜後テーマ、ライブでよくやる3625で回すことも最小限に抑え、サクッと終わる、こんな感じで行こうと皆と話しました。
このように浅草のコンテストの時とは随分と違って、僕は「分析し、作戦を立てて勝ちに行く」感じでしたw。
「当日朝、部室に集まって、たった1回だけ演奏してから現地に行きませんか?!反省もやり直しもなく、何も考えずに1回だけ演奏しましょう。」
ベースの荻原さんが皆に提案します。良いアイディアと思いました。彼の提案通り午前中に集まって、たった1回、10分ほどこの曲だけ演奏してから、皆で吉祥寺へ向かいました。
いよいよ本戦です。

