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僕の音楽史(171)

【1993年】

 吉祥寺コンテストで何を演奏したかというと「There Is No Greater Love」を演奏しました。なぜこの曲を演奏したかというと、テープ審査の返信に入っていた沢田駿吾氏のコメント「以前からスタンダードジャズも一度聴いてみたいと思っていた・・・・」を意識してのことです。

 テープ審査では「All The Things You Are」でした。この曲を演奏すると当時の僕の演奏は、どうしても「メセニーのパクリ」になってしまいますw。皆さんはどう思ったかわかりませんが、実際テープ審査に送ったテイクは思いっきり影響を受けた演奏と思います。一方、「There Is No Greater Love」なら、僕は少なくともギタリストの演奏は聴いたことがないので、「誰々風」の演奏にはならないので良いかなと考えました。沢田さんは「ジャズギターの王道」とも言うべき演奏をする方です。審査テープの演奏についてはたまたま評価は貰えましたが、本当はもっとオーソドックスなプレイが好きなはずだと思いました。この曲ならミディアムでゆったりと弾けば、ジャズ・ギター王道的な演奏もできないことはないなと考えました。自分と同じタイプの演奏を嫌だなと思うはずがありませんw。また、審査員として名前を連ねていた評論家本多俊夫さんも、オーソドックスな演奏を好むと考えました。審査員の中に向井滋春さん(トロンボーン)がいて、彼がどんな好みかが想像がつきませんでした。渡辺香津美さんとのキリンや彼のリーダー・アルバムを聴く限り、比較的コンテンポラリーな感じもしましたが、変な話、審査員の力関係的に沢田さんと本多さんのふたりに気に入って貰えばオーケーと考えましたw。


 そして、やるなら徹底的にオーソドックスに演奏しようと思いました。イントロもエンデイングもなし、ギターのテーマから入って、ギター・ソロ〜ピアノ・ソロ〜ベース・ソロ〜8バース〜後テーマ、ライブでよくやる3625で回すことも最小限に抑え、サクッと終わる、こんな感じで行こうと皆と話しました。

 このように浅草のコンテストの時とは随分と違って、僕は「分析し、作戦を立てて勝ちに行く」感じでしたw。

 「当日朝、部室に集まって、たった1回だけ演奏してから現地に行きませんか?!反省もやり直しもなく、何も考えずに1回だけ演奏しましょう。」

 ベースの荻原さんが皆に提案します。良いアイディアと思いました。彼の提案通り午前中に集まって、たった1回、10分ほどこの曲だけ演奏してから、皆で吉祥寺へ向かいました。

 いよいよ本戦です。

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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