僕の音楽史(107)
「あの人」の「あのアルバム」とは「パット・メセニー」の「オフランプ(愛のカフェオレ)」です!

慶応ライトのベーシストの先輩、タダシさんの発言をきっかけにメセニーのアルバム「オフランプ」に出会ったと書きましたが、正確に言うと僕はこのアルバムは購入済みでしたが、全ての曲を聴く事なく、また繰り返し聴くこともなくほってあるのでした(笑)。
以前このブログでご紹介しましたが、僕はすでにメセニーとは出会っていました。サンロレンツオはどうも好きになれずスルーでしたが(笑)、その後に「アメリカン・ガレージ」を聴き、「ハートランド」や「エピック」なんかは夢中でしたので、「オフランプ」も、もちろん発売と同時に「中古盤しか買わない」という掟を破り、即買いしました。
1曲目から、あの「メセニー音(ギターシンセ)」が始まります。今でこそ、この音を聴けばギタリストは「メセニー」と思うのでしょう。僕はリアルタイムにこのアルバムで、初めて耳にします。
「何じゃこれ?!」ってのが最初の印象でした。何だかよくわからないシンセ音で短い一曲目が終わります。二曲目は名曲「ついておいで」なのですが、初めて聴いた僕は受け入れることができませんでした。そしていつまでたっても、あの175を使ったディレイ・サウンドが出てきません。
B面1曲めでいつものディレイ・サウンドと8ビートっぽい曲が出てきましたが、アメリカン・ガレージの方が数倍カッコ良いと思いました。続けて「オフランプ」であのギタシンセーが炸裂します。正直聴き続けることができませんでした。
要は、あの名曲「ジェイムス」までたどり着くことができずにこのアルバムは「ジ・エンド」でした(笑)。
「ジェイムスってそんなに良いのか!」
うちに帰って、早速B面3曲目に針を落とします。
感動しました。メセニーのギターもライルのピアノも最高です。インスト音楽を聴いて初めて涙を流した瞬間でした。
この日以来何万回この曲を色々なテイクで聴いてきましたが。このテイクが一番好きなテイクかもしれません。
「オフランプ」はやはり今聴いても問題作と思います。ツェッペリンのアルバムに例えると「サード・アルバム」ですね(笑)。もちろん今では例の「シンセの音」も「ついておいで」も大好きですが、保守的な僕には最初はどうしても受け入れがたい問題作でした。