Pat Martino奏法研究(36)
前回まで解説してきたポジション移動については一旦終わりにして、今回から第4章マイナー・コンバージョン(応用編)を始めたいと思います。第2章で解説してきたマイナー・コンバージョン・コンセプトをおさらいしながら、一歩進んだ考え方を解説していこうと思います。
~ディミニッシュ・コードへの応用(1)~
ディミニッシ・コードと7thコードの代理関係については、ほとんどの皆さんが知っていると思います。僕も昔は理論的には知りませんでしたが、ギターを始めて何年かくらいたった時には、すでに知っていました。一応、ギターの指板で説明しておきますね。

【図1】【図2】も左側がBdimです。どの音をルートに考えるによって、BdimはDdim、Fdim、G♯dimと呼べるのですが、ここでは赤丸のB音がルートのディミニッシュ・コードと考えてください。このルートを半音下げると【図1】【図2】の右側のようになり、これはB♭7のコードです。要は「ディミニッシュ・コードと半音下の7thコードは代理関係にある」ということです。
パット・マルティーノは「クリエイティブ・フォースPart1」というビデオの中で「ディミニッシュ・コンセプト」として、結構時間をとって説明しているのですが、ここでは特に説明しません。奏法上は「ディミニッシュ・コードと半音下の7thコードは代理関係にある」だけわかっていれば十分です。
ここまでくればもう皆さんわかりますよね。以前【2-1】でD7 ⇒ Am7での解説をあてはめると
Bdimi ⇒ B♭7 ⇒ Fm7 となります。したがって、Bdim上でFドリアンを使ってアドリブできることになります。
これで僕は世界が無茶苦茶拡がりました。ディミニッシュ・コードの部分は、誰でも知ってる「ディミニッシュ・スケール」を使った定型フレーズが存在していて、それだけでも十分カッコよいフレーズがあるのですが、いかんせん数種類しかありませんし、毎回それじゃーなーと思っていました。得意のm7のフレーズが使えるのであれば、俄然バリエーションが増えてきます。
ただ、ちょっと注意が必要で、「ディミニッシュ・コードですよ!」と、聴いている人にわかってもらう弾き方のコツがあって、マルティーノもそのように弾いています。
次回はその辺を解説しようと思います!