僕の音楽史(20)
僕と兄が夏休み中に、両親がアメリカに海外旅行に行く計画を立てていました。金銭的に家族4人全員が旅行に出かけるのは厳しかったようで、兄と僕のどちらかを連れて行くと言いました。普通の兄弟なら「俺が行く!」と言い争いになるところですが、我が家は簡単に決まりました。兄が行く事になりました。兄は何事に対しても前向き、好奇心旺盛でしたのでアメリカに興味を持ったようでしたが、僕はアメリカという国には全く興味が湧きませんでした。大好きなロックバンドはみなイギリスでしたし、何よりも1週間も家を離れ、ギターの練習や音楽が聴けなくなることなど我慢できるはずもありませんでした。結果、僕が自宅に残ることになりましたが、まだ中学2年生でひとり自宅に一週間も置いていくのが心配という事で、以前の投稿で紹介した音楽好きでクリエイションのコピーバンドをやっていたドラマーのおじさんが、親が旅行の間はずっと我が家で生活することになりました。この約一週間の間、おじさんバンドのベーシストであるタイジさんが毎日の様に遊びに来て、色々な音楽を聴かせてくれ、濃密な一週間となりました。
彼は、当時の60年代後半から70年代のロック、特に日本のバンドに造詣が深い人でした。彼から色々な日本のバンド、特に彼が実際にライブで生録した演奏を中心にたくさんのバンド、ギタリストを聴かせてもらい、この時からどっぷりと日本のロックにハマりました。今回は2つのバンドをご紹介します。
まずはサディスティック・ミカ・バンドです。

あの「高中正義」さんがリード・ギタリスト、そして加藤和彦、ミカ夫妻、ベースが小原礼、ドラムが高橋幸宏と言った、今考えたら卒倒しそうなオールスターバンドです。とりわけ下の動画に付けた「塀までひとっとび」の高中さんのワウワウ・ギターはもう最高です。当時は当然のことながらこの曲は「音」だけで「映像」なんか見れなかったわけですが、ほんとかっこいいです。高中さんと言えば、その後の「レディー・トゥ・フライ」や「ブルー・ラグーン」で有名になるのですが、この頃の演奏もぜひ聴いてもらいたいですね。
次はスモーキン・メディスンです。

そうです。あの「竹中尚人(Char)」さんがメジャーデビュー前に活動していた伝説のバンドです。これは「タイジ」さんがコンサートで生録してきたテープを聴かせてもらって、ぶっ飛んでしまいました。確か、まだ「チャー」さんは高校生だった時の演奏だったと思います。彼は、チャーさんと多少のお付き合いが合ったらしく(?)、音楽以外の話も色々と聞かされ、「やはり東京は違う!音楽やるなら新潟に籠っていては絶対ダメだ。」と子供ながらに考えたものです。
この当時の日本のバンド、イギリスとアメリカの影響がうまくブレンドされて、携帯電話のように独自の「ガラパゴス進化」をしてるようですね。
日本のロックバンドに浸った濃密な一週間の話は、次回にも続きます。
【動画】
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塀までひとっとび