マイナー・コンバージョン・コンセプト総合編
続いてVisitのA♭13/D7#9の2小節ですが、これはマイナーコンバージョンをかじっている方は一番大切な部分の一つですね。この曲はKeyがGのブルースですから、D7#9はⅤ7、その前のA♭7はその裏コードです。ここでのコンバージョンはもうほとんどこれ一択です。
D7#9 → E♭m(E♭ドリアン)
「V7thは半音上のマイナー」と考えても良いですし、
D7#9 → A♭7(裏コード) → E♭m(A♭のマイナーコンバージョン)
と考えてもオーケーです。
動画はサビのC7(13)から8小節を繰り返していますが、解説の5、6小節部分しか弾いていません。
これ、裏を返して言いますと、D7でE♭mを弾くと言うことは、裏コードA♭7を想定して弾く」ということとなり、これは「D7でオルタードを弾く」ってことになるわけです。だから、すごくジャージーな感じになります。
僕はオルタード・スケールというものを弾けません。教則本には当然出てくるのですが、馴染みのない音の並びで覚えることが全くできませんでした。ですが、このマイナー・コンバージョンのおかげで、結果的にオルタード・スケールを弾いていることになります。僕の演奏はオルタード・スケールに縛られているようにむしろ聞こえているでしょうが、頭の中にオルタードの概念はありません。
以上でパットの楽曲を題材にマイナー・コンバージョンの総まとめ・総復習を行ってきました。
一旦は「マイナー・コンバージョン・コンセプト」については終わりです。知識的なことはこれだけ知っていれば十分と思います。後は「Pat Martino奏法研究【完全版】」の中で、必要があれば説明していきたいと思います。
長い間、ご愛読ありがとうございました!