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僕の音楽史(229)

【2016年3月10日】

 松原慶史君のセカンドステージが始まりました。

 まずは音にびっくりしました。テレキャスター・タイプのギターに比較的太い弦を張っている事もあってか音圧があって、僕好みの音でした。ピッキングも正確でミストーンも殆どなく、ストレスなく耳に飛び込んできました。これで、一気に彼の世界へ引き込まれました。

 また、コードワークが実に多彩で仰天ものでした。エレガットで弾くバラードは実に美しく(多分Body&Soulだったと記憶しています)、まるでピアニストのようでしたし、独特の世界観があり、僕の中では未知の世界観でした。

 他にも素晴らしいところは沢山あって、書き出したら切りが無いのですが、個人的にはこの2つ、特に1つ目の「音」に衝撃を受けました。

 今まで僕が考え、演奏する「ジャズギターの条件」は偏ったものでした。「箱物のギターに太い弦」「ノーエフェクトのクリアでトレブルを押さえたサウンド」の2つが絶対条件と考えていました。もちろん、僕は根っからのジャズメンではなく、ロック〜フュージョン世代で育ったギタリストですから「ソリッドギター」や「オーバードライブ」が嫌いでありませんでした。むしろ大好きでした。ただ、他人がやっているのは良いのですが、自分が「ジャズギター」をプレイする時は最初の2つの条件が「僕の目指すジャズギター」でした。「ソリッドギター」では僕の考えるジャズギターの太い音など出せるわけはないと思ってましたし、「エフェクター」は自分の弱点をカバーするものであって、上手けりゃそんなものは必要ない、くらいに考えていました。いや、無理にそう思おうとしてたのだと思います。そして、絵面的にも「ソリッドギター」を抱えて「足元にエフェクター」ってのは「ジャズギター」ではないと思っていました。

 彼の演奏、テレキャスもどきのギターから出てきた音を聴いて、自分はもしかしたら大きな間違いをしていたなと感じました。彼のテレキャスターから出てきた音は実に太く、説得力があるものでしたし、空間系エフェクトを欠点をカバーするのではなく、得意な部分を一層際立たせるために利用していました。楽器の種類やエフェクターの有無なんかどうでも良くって「どんな楽器でも、どんな音でも自分というものが出せれば良い」と思いました。

 アフターライブで彼とブルースを一曲演奏しましたが、今までの考えが崩れ、新たな考えが頭の中を渦巻いていて、本当はとても演奏するような気分ではありませんでしたw。

 「箱物のギターにこだわることはない。」「エフェクターも使い方次第で武器になる」

 彼のライブでこの2つを学びました。そして、ここから僕の「ソリッドギター爆買」が始まり、少しずつライブでエフェクターを使うようになっていきました。

 その後何ヶ月か経って、彼と1年余同じライブステージに定期的に立つようになるのですが、当時は全くそんな事は考えていませんでした。これについては、また動画を含めご紹介していきたいと思います。

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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