僕の音楽史(209)
今回から1998年です。
武田・高野・宇山のオルガントリオは月1ペースで新宿Live Inn Pierで変わらず演奏を続けていました。このバンドの良いところは集客にあまり困らなかったことです。高野さんは当時から音楽専門学校の教壇に立っていたこともあって、毎回弟子たちが先生の演奏を聴きに来てくれました。また、僕も会社で積極的に集客していたので、いつもはほぼ満席な感じでした。一方で継続的にやっていたもう一つのカルテット(武田・阿部・辻・西尾)は比較的マニアックで、コンテンポラリーな曲や演奏をメインにしていたため、集客に苦労しましたw。ただ僕の中のバランスはとても良い感じでした。オルガン・トリオでオーソドックスな演奏とジャズのノリや楽しさみたいなものを感じ、一方のカルテットでギタリストとしてのテクニックを磨く、こんな風に車の両輪のように捉えていて、一番充実した活動ができていたのかもしれません。高野さんつながりでは、もう一つ四谷のジャズバーで、営業時間中何セットかの生演奏の仕事をやったりしていました。
ほとんどのライブは当時主流だったMDでほとんど生録しているので、まだまだ聴いてもらいたい演奏はたくさんあると思うのですが、整理していないのでまた別の機会にするとして、今回は以前からYoutubeにアップロードしていた動画を貼っておきます。
演奏を聴いてわかるように、バンドとしての完成度は高いとは言えません。ライブその場で演奏するだけだし、リハもやらないわけですから。この曲、Sidewinderなんてその場で高野さんが譜面を脇にいきなり置いてやろうと言い出したのですから。僕はご存知のように譜面はほとんど読めませんのでw。多分客席にいた弟子達からのリクエストでしょう。でも、このときの自分の演奏を聴くといつも思います。「俺は歳をとったな」と。もちろん見かけだけの話ではなく、演奏そのものです。自分で言うのもなんですが、当時はキレや勢いがありました。今の方が、楽器トータルでは上手になったと思っていますが、このような演奏やノリ、雰囲気はもう2度と出せません。残念です。
