Pat Martino奏法研究【完全版】 第3章 Vertical Movement(2)
前回動画の演奏は、C7→A7の2コードをそれぞれ4小節づつの繰り返し演奏でした。マイナー・コンバージョンで言うと、C7はGm6と考えてGドリアンの音を中心にして弾いています。マイナー・コンバージョン的に考えない人は、Cミクソリディアンと思ってください。
Verticalをわかりやすくするために先にHorizontalの説明します。
C7の部分は下の指板図の上の図参照してください。◯の音がGドリアン(Cミクソリディアン)です。赤の部分は弾いている時の左手親指のおおよその位置です。そしてこの運指フォームは以前Horizontalの時の解説で言うところのForm3です。ギターは楽器の特性上、全く同じ運指フォームの平行移動で12keyが弾けてしまう便利な楽器です。したがってフレット3つ(全音半)ヘッド寄りにずらしてして弾くとA7が弾けてしまいます。それが下の図の方です。親指の位置も下にずれます。Horizonntalの動きはこのように運指が同じで弾きやすいのですが、フレットの横移動が大きく、効率の良い動きとは言えません。また、運指が同じだけにC7とA7で全く同じようなフレーズを弾きがちです。ちなみに下の図の●はC7とA7の時の指板の共通部分ですが、たったの3つの音しかありません。

それではVertical Movementを説明します。
C7の部分は上の解説のとおりです。問題はA7になった時です。ここでHorizontalのようにForm3の運指を使わず、Form4の運指を使って弾きます。下の方の図を見てください。こうすると共通部分は●3つから9つに増え、親指の位置がほとんど動かず効率的な動きと言えます。また、運指が違うことにより同じフレーズが弾きずらくなり、自然とフレーズにバリエーションが出てくるといったメリットもあります。それぞれのForm(5つのフォーム)については、以前の解説Horizontal Movement(1)をご覧になってください。

次回はもう少しVertical Movementを解説します。
お楽しみに!