僕の音楽史(203)
新しいメンバーはご機嫌でした。その理由は音楽的な力量もさることながら、僕も含めてメンバー4人とも社会的な立ち位置が同じ、音楽的な姿勢も近いようで、気兼ねなく付き合えるということが大きかったと思います。全員が働きながら演奏活動をしているということ、それでいて音楽的なモチベーションが極めて高い集団であったこと、演奏活動の質よりもむしろ「演奏すること自体」に楽しみを見出していたことなどが挙げられます。前回までのバンドはもう僕のバンドではなくなっていました。ライブの時に集まって簡単なリハののちライブ、そして次のライブまでは会わない...みたいな活動は僕は正直好きではありませんでした。今でも少なからずそうですが「バンド感」を出したいと感じていました。
パット・マルティーノのライブを見たこともあり、彼の楽曲や比較的愛聴していたデイブ・ストライカーの楽曲、そしてスタンダードを中心にリハーサルを始めました。全員が東工大ジャズ研OBであることから、相変わらずジャズ研部室で月2〜3回リハを行なっていきました。
楽器の話で言うと、この頃からジョージ・ベンソン・モデル(GB-10)をメインに使う様になっていました。今までずっとES-175NT一本でやって来て、ライブやツアーでトラブったことは幸い一度もなかったのですが、やはり万が一の時のスペア楽器が必要ということで、GB-10を購入していました。小ぶりなフルアコで軽いこともあり、スペア楽器どころかメインで使う様になっていました。したがってサウンドも随分と変化し、マイルドでダークなサウンドから抜けの良いカラッとした感じに変わっていたと思います。

誰かにギターを習って、もうひとつレベルアップしたいなと仕切りに感じる様になったのもこの頃で、コンテストの時の審査員で僕のことを褒めてくれ、個人賞までいただいたギタリスト「岡安芳明」さんがレッスンをしていると言うので、通ってみることにしました。