僕の音楽史(195)
94年の暮れには横浜のコンペティションでグランプリを取った副賞として、CD制作のレコーディングがありました。今の時代は自宅録音でもクオリティの高い作品が制作できると思います。そんな時代に比べ当時のミュージシャン達はそもそもCD制作ということに対する思いは今よりも大きかったと思いますし、僕もその一人でした。
年末忙しい中で「ジャケットはどうする」「写真はどれにする」など色々と決めなくてはいけないことがたくさんありました。もちろん副賞ということですので、レコード会社と契約して「ファースト・アルバム・リリース!」とは違います。ジャケットも雛形が決まっていて、その中から選択、写真もモノクロなどなど色々制約事項がありましたが、それでも僕自身は満足でした。ただ、季節柄で仕事も大変忙しかったので、あまりギターの練習に集中できなかったように思います。
録音に向けてのリハーサルは1回だけ東工大の部室で行なったように思います。その時ライブで演奏していた曲ばかりを選んで録音するつもりでしたので、エンディングの確認を簡単に行なっただけと思います。
収録曲は以下の10曲でした。どれも有名なミュージシャンの楽曲やスタンダードばかりです。
Monday Blues / The Great Stream / Up Jumped Spring / The Good Life / Nothing Personal / Listen /Old Folks /Softly,As In a Morning Sunrise / My Romance / One Finger Snap
このCD制作についてひとつだけ自分で決めていたことがあります。アルバムのタイトルは「The Great Stream」にしようと思っていました。マルティーノの70年代の作品で、1番の人気曲です。このバンドでももちろん演奏していましたし、いまだに僕は自分のバンドで演奏し続けている曲です。「彼に捧げる」なんて大げさに考えていたわけではありませんが、やはり尊敬するギタリスト、僕的には神でありましたので、これだけは譲れないなと思いました。他のメンバーはそれに対しては尊重してくれました。
次回はレコーディングの時のことを思い出しながら書いてみようと思います。
