僕の音楽史(194)
当時僕のバンドの主な活動拠点は新宿Jと千歳烏山J-moodの二箇所でした。あとは2年間にわたり4つのコンテストで優勝したこともあって、イベント系の仕事が不定期に入っていましたので、月に2〜3本ほどの演奏機会がありました。メンバーは当然バンドを掛け持ちしていましたし、僕も働いていましたのでそのくらいのペースがちょうど良い感じでした。
日本ジャズ維新塾に出場し、審査員であったギタリストの岡安芳明から個人賞もいただいたこともあって、「こんどライブに遊びに行きます!」なんて話していましたので、雑誌でスケジュールを確認して早速ライブを見に行くことにしました。
ギタリスト岡安芳明さんについてはあえてこの場で説明は不要と思いますが、僕とのこれまでの関わりを簡単に書いておきます。
大学を卒業したくらいの頃テレビで彼の演奏を聴く機会があり、一発で好きになりました。当時はジョージ・ベンソン・モデルを所有していて、プレイも正にジョージ・ベンソンでした。その後、カミさんと新宿ピットインの昼の部を聴きに行きました。一曲目に「シークレット・ラブ」をB♭ペダルで演奏していて、自分のバンドでもアイディアをパクって演奏したりもしていましたw。アルバムはジャズ維新塾の課題曲を確認するために「ミッドナイト・グルーブ」を購入していました。

目黒SONOKAにライブを見に行きました。この頃はL-5&ポリトーンで素晴らしいトーンでスタンダード中心にプレイしていました。メンバーはピアノが椎名豊さん、ドラムとベースは誰だったかはっきりとは覚えていません。テナーに安保徹さんもいたと思います。
ファーストとセカンドのステージの合間にご挨拶しました。岡安さんは僕のことを覚えていてくれました。コンテストの時の話や最近の活動のことなどを話しました。
セカンド・セットの演奏で「リズマニング」の演奏が始まりました。岡安さんが最初にソロをとった後、いきなりギターのストラップを外して僕に微笑みながら「こっちに来い」と手招きします。少し躊躇しましたがそんな時間的余裕もありませんw。すかさずステージに行って岡安さんの名機L-5を肩に下げソロに突入しました。正直自分の音がよく聴こえなかったのですが、循環なのでなんとかなりました。一応お客様から拍手ももらえました。そして、岡安さんにギターを返して、席に戻りました。
ライブが終わった後にピアニスト椎名さんが気さくに話しかけてきました。
「岡安にしては随分と過激にアウトしてきたなと思ったら君だったのかw」
SONOKAはステージが狭く、ピアノはアップライトで壁面に設置しており、ピアニストは客席に背を向けて弾いているので、僕と岡安さんの交代劇のことを知らなかったようですw。
客席にキングレコードのプロデューサーとおっしゃる方がいて「高田馬場にホットハウスという小さな店がオープンするから出演しない?トリオくらいが限界だけど・・・」と声をかけていただいたのですが、トリオでやる自信がまだなかったので、一旦はお断りしました。少し後で後悔しましたが。
岡安さんは自宅でレッスンを行なっているとのことでしたので、体験に伺う約束をしました。