僕の音楽史(172)
吉祥寺ジャズコンテスト本選大会の記憶はそんなに鮮明ではないのですが、記憶を辿りながら書こうと思います。


当日、僕は浅草のコンテストでの反省を踏まえて自分のギターアンプ「ポリトーンMiniBruteⅣ」を会場に持ち込みました。吉祥寺は自宅からすぐでしたし、今回は「勝ちに行く」つもりでしたのでw、いつものアンプでベスト・コンディションで演奏しようと思いました。何の小細工もしないスタンダードですから、音で聴かせなくてはいけません。リハーサルはほんの数分くらいでした。自分のアンプを持ち込んでいたので、それで十分でした。
当時のパンフレットを開くと、12バンドが本選大会に出演していたようです。僕らの演奏は10番目、最後の方だったみたいですね、まったく覚えてはいませんが、リハーサルから演奏までが随分と時間があったと言う記憶は残っています。
僕らのバンド、いつのころからか、こういう暇な時間はいつも「UNO」というカードゲームをいつもやるようになっていましたw。東工大の阿部君、荻原さんのふたりが滅法強くって、僕はいつもカモにされていた気がします。もちろんお金を賭けることなく、二人は純粋に戦術を楽しんでいた感じです。さすが理系脳です。僕はもともと「先読み」は苦手なので、付き合いでやっていた感じですね。この時もやっていた様に思います。
出番が近づいてきた時、いきなり僕のギターの5弦と6弦がすごい音がして切れました。
「まじかよ!?」
昨日変えたばかりの弦で、しかも低音弦です。もう弦を買いに行ってる時間もありません。よく見ると、切れたわけではないことがわかって、ほっと胸をなでおろしました。昨日の弦交換のやり方があまりよろしくなかった様で、テールピースの溝にしっかりと弦が固定されていない状態だったため、外れただけの様でした。
「縁起が悪いですね?」
宇山君が言いますが、まあ、気にしない様にしました。むしろ本番でこんなことが起きなくて良かったと考えました。1弦ならともかく、5〜6弦の2本が本番で切れたら、「後藤みどり」じゃあるまいし、ひとたまりもありません。
そして、弦を張り直してすぐに僕らの演奏の順番が回ってきました。