僕の音楽史(166)
そして、僕らの演奏の順番が回ってきました。
予定通りパット・マルティーノの「The Great Stream」を演奏しました。僕らはまだ結成まもないこともあり、スタンダード以外のレパートリーは、これくらいしかありませんでした。
この曲はマルティーノの代表曲でもあり、ギターファンの方はご存知の方も多いと思います。ギター&ピアノのソロを挟んで、難解?キメの多いテーマがあります。1コーラスが長いため、演奏5分と決められていたこともあり、ギターとピアノで1コーラスずつ取ろうとあらかじめ尺を決めていました。
現在その時の演奏を聴くことができませんが、紹介文に書いた「正確無比なテクニック。溢れるごとく湧き出るフレーズ。完璧な我々の演奏をお楽しみください!」とは程遠い演奏だったと思います。少なくとも僕はですけどw。キメのテーマは崩壊することなく終えましたが、個人的にはジャズ・コーラスという慣れないアンプで最悪とも言える音質での演奏だったので、演奏を終えた直後はすごく落胆した記憶があります。
演奏の後、審査員2人の講評を舞台上で聞きます。一人は僕がギタリストであることもあって、沢田駿吾さんだったと思います。もう一人は誰だったかは覚えていません。ふたりのコメントは揃って意外でした。
「うまいね。素晴らしいよ。君たちアマチュアw?」
予想に反して、高評価ですw。と言うか、それを通り越して大絶賛ですw。
「リズムがスイングしていて、いいね。特にドラムは2拍4拍でしっかりハイハットを踏めている。アマチュアの人、これを正確に踏めない人たちが多いんだよ!素晴らしい!」
何一つ問題点を指摘されず、好評のコメントをいただきました。
コンテスト出場者の演奏が終わり、審査発表までの間に見にきていたカミさんと合流して、客席からゲスト・プレイヤーや昨年度グランプリのバンド演奏を聴きます。
彼女は言います。
「バンド演奏全部聴いていたけど、褒められていたバンドはあなた達のバンドしか無かったわよ。絶対優勝だわ!」
彼女の心はもうオーストラリア旅行で一杯のようでした。w
