僕のレコード棚公開します!(8)

【メンバー】
ジム・ホール(g)ドン・トンプソン(b)テリー・クラーク(ds)
【曲目】
A面
・エンジェル・アイズ
・ラウンド・ミッドナイト
B面
・スクラップル・フロム・ジ・アップル
・ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥナイト
・アイ・ヒア・ア・ラプソディー
(今となっては)大好きなギタリストなのですが、僕は、ほとんど影響を受けていないジム・ホールのアルバムです。
ギター・トリオの一つの方向性を示した素晴らしいアルバムです。
僕はこのアルバムを聴くまでは、ギターが主役、そしてそれをベースとドラムがしっかりと(地味に)支えるというのが、ギタートリオってものだと思っていましたし、それで満足していました。ギターのレコードは、ギターを聴いて、コピーするために買っていたようなものですから、それで充分でした。このアルバムはまったく違います。3人が対等な立場で、色々な形でインタープレイ(対話)を繰り返し、ものすごくスリリングです。
彼のギター、単音によるフレーズは「スイングする」、「ノリがある」という言い方はできません。全く異次元です。そして、ギター・サウンドは極端にトレブルをカットした、(言葉は悪いですが)こもった音です。したがって、このアルバムを買った学生時代には、全くピンときませんでした。もっと言っちゃうと「いったいどこが名盤なんだろう?」と思ったものです。このアルバムやジムの良さが分かるのは、ジャズを聴いて何年も経ってからで、ギターもそこそこ弾けるようになってからでした。誤解を恐れず言うと、ジム・ホールというギタリストは、ジャズ・ギター初心者に聴かせてはいけないのかな?と思ったりします。
ライナーノーツにザ・ウェイ・ユー・・・のアドリブの譜面が載っていて、レコードを買った当時、弾いてみましたが、全く理解できませんでした。ジム・ホールは僕の持ち味とあまりにかけ離れているため、ある時から聴くだけに留め、採譜&研究することをやめることにしました。コピーして、弾いても、似ても似つかず、弾いていて楽しくなかったです。この3人のメンバーでのトリオ版は何枚か持っていて、どれも素晴らしいですね。
あっ、一つだけ彼のギター奏法で研究したことがあります。あのベース・ラインを入れながらコード・カッティングする「ハーモナイズド・ベースライン」ってやつ。これだけは、練習しましたね。今でもたまに練習してます。デュオ演奏などでは、必ず必要なテクニックです。この技、今でこそ色々なギタリストがやりますが、ジム・ホールが、一番かっこ良いですね。ちなみに、この技でのジム・ホールは強力にスイングします。残念ながらこのアルバムで、この技の出番はありません。
どの曲もスタンダードでお勧めですが、特に太字の2曲かなと思います。