マイナー・コンバージョン・コンセプト実践編
予告した通りマイナー・コンバージョンの実践編を始めようと思います。
実践編というのは今までお話しして来たコードや数小節単位のコンバージョンを実際の楽曲の中でどう適用していくかを解説していくものです。決して新たな内容や難しい話ではありません。むしろ復習に近いものです。理論に疎い僕が難しい話ができるわけもありませんのでご心配なく(笑)。マイナー・コンバージョンの解説をしながらこの考え方で有名なパット・マルティーノの奏法的なことにも触れながら解説を進めて行きたいと思います。
曲は何にしようか迷ったのですが、季節柄、そして必ずジャズ・プレイヤーが演奏する「枯葉」にすることにしました。その後は他のスタンダードやブルース、循環などを取り上げていこうかなと思います。また、元になる譜面は下のGマイナー(B♭メジャー)キーの一般的な進行のものにしようと思います。それでは始めます。
まず、マイナー・コンバージョンといっても「コードひとつひとつ単体で何にコンバージョンするか?」を考えるのではありません。どういうことかというと、「Cm7は何にコンバージョン?F7は何にコンバージョン?B♭△7は何に...?」っといったことではないということです。「そのコードが楽曲の中でどういう位置付けか?」もっと具体的に言うと「同じ7thコードでもⅤ7なのか?Ⅱ7なのか?」は最低わかっていないとダメです。機能によってコンバージョン先が違ったりするのが理由です。そう言う意味で「必要最小限の理論」は把握しておく必要があります。したがって「枯葉」は最初の4小節Cm7ーF7ーB♭△7はキーがB♭メジャーのⅡーⅤーI、次の4小節Am7(♭5)ーD7ーGm7はキーがGマイナーのⅡーⅤーIが理解できていないとダメということです。枯葉は基本この2つの繰り返しですから、これだけ把握できていれば今回のお話に十分についてくることができます。
次回は最初の3小節の解説に早速入ることにします。
