Pat Martino 奏法研究(2)

まず<2-a>ですが、出だしのE-F#-G#がいかにもマルティーノです。ドリアンスケールではG#ではなくGなのですが、ここでG#音(ハーモニックマイナー)のナチュラル7thを使うところが、なんかグッときます。1小節目、B-C-D-E-F#-Gと乗降していったあとにB音に戻って「再度昇り直し、オクターブ上のB音まで昇る」、「さっきはGまでしか昇れませんでした、再度挑戦したらB音まで到達成功!」みたいな感じですか。ニュアンスもそんな感じで弾くと、マルティーノぽくなります。文章ではうまく伝わりませんので、またの機会に動画でお伝えしようと思います。
次の<2-b>については、一段目については<2-a>とほぼ同じ音列なので、特に解説不要と思いますが、2段目がポイントです。1拍目、いわゆるビバップ特有の例の「音を飲む」ってやつです。アクセント記号を付けたB、B♭音をダウンピックで強く弾き、裏音のG、G♭音は音になるかならないかくらいの感じで弾きます。ピッキングはせず、左手だけで音を出す感じです。これも、今度動画などでお伝えできればと思います。2段目の2拍目A音から最後までは彼の手癖です。まんま覚えてください!
先のフレーズを弾いてみて、必ず譜面のAドリアンスケールと照らし合わせて、スケール内の音とそうでない音を意識しておいてくださいね。しつこく言いますが「マイナー7thはドリアン」ですよ!
人指し指を3弦4フレットに置く、ほぼネックのど真ん中のポジション、上にも下にもポジション移動ができる絶好のポジションであります。ポジションについても、マルティーノは方法論がありまして、ポジション移動もある一定のルールに従って綺麗に移動します。これについては、またずっと後に解説の機会を設けます。まずは、彼のかっこいいフレーズを自分で弾いてみて、慣れ親しむことを優先していくと良いのではと思います。
まだまだ、マイナー7thのドリアンスケールでのフレーズを紹介していきます。このフレーズのストックを増やすことが「パット・マルティーノ奏法」には絶対不可欠です。