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僕の音楽史(145)

【1987年】

 その後の布川さんのレッスンのことについてですが、3回目以降は理論的な解説は一切やらないことになりました。僕が理解できていないことに気づいて布川さんが止めた訳ではなく、僕からお願いしたわけでもなく、下のような感じだったかと思います。

 3回目のレッスンでいつものように、布川さんが何かを解説し、僕がそれを聞いてていました。そんな中、僕が何気なく「There Will Never Be Another You」のテーマを弾きました。ちょうどジョージ・ベンソンの「Live at Sunday Afternoon」での演奏をコピーしていた頃だったからと記憶しています。

 僕のテーマに布川さんが反応し、バッキングを始め、そしてそのままデュオに突入しました。最後まで演奏し終わって、布川さんが言います。

 「面白いね」

 こんな言葉をかけられてすごく嬉しかった記憶があります。布川さんよりもうまく弾けるわけもないですが、少なくてもやっていて「面白い」ってことは「練習相手」にはなっているってことですし、僕的には「褒め言葉」と思っていました。

 そして、次回のレッスンからは理論的な解説を教則ビデオをみたいに行うのではなく、その場で演奏曲を決め、デュオ演奏をして、質問があれば演奏後にする、なければどんどん次の曲をやる、みたいなやり方に自然に変わりました。

 まさしく、デュオ・ライブのような実践的なレッスンです。僕はいつもレッスンを生録していましたし、布川さんはそれを許してくれていました。レッスン後、プレイバックを聴き、あーすれば良かった、こーすれば良かったと反省したり、場合によっては布川さんの演奏をコピーしたりと、ものすごく勉強になっていました。当然のことながら、この数年間で飛躍的にジャズ・ギターが弾けるようになったと思っています。

 このレッスン時の生録が4年余りでカセッットテープ数十本にもなりました。このカセットテープが現在は行方不明なのですが、今一番聴きたい録音の中の一つでもあります。

 「ジャズギターの金字塔」という布川さんのベストセラー教則本がありますが、僕はこの素晴らしい教則本が出版される10年以上も前からこの本に書かれている解説については、布川さんから本人とデュオをすることで肌で感じ取っていました。

教則本 nunokawa_toshiki_3.jpg

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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