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僕の音楽史(143)

【1987年】

 布川さんの最初の自宅レッスンのことについて書こうと思います。なぜか意外と記憶に残っています。

 最寄駅に着いてから電話を入れ、布川さんの言われた通りに家に向かいましたが、ちょっと迷いました。

 部屋に通され、簡単な挨拶を交わしました。布川さん本人に会うのはもちろん初めてだったのですが、ジャズライフの写真でよく見ていたので、初めてのような気はしませんでした。

 音楽経歴を中心に色々と話しました。中学・高校とロックが好きだったこと、大学ではなぜかビッグバンドのサークルで活動していたこと、就職後は独学で練習していること.....などなど。

 20分くらい色々な話をしたでしょうか、布川さんの方から

 「スタンダードを何か演奏してみようか、何やる?ステラとかどう?」

 あまり得意な曲ではなかったのですが、一応テーマは弾けるようになっていましたので、一緒に演奏します。

 僕がテーマを弾き、布川さんがバッキングしてくれます。デュオでの演奏なんて生まれて初めてでした。でも、さすがに弾きやすかったです。

 テーマを弾いてそのままソロに突入、その後布川さんがソロを弾き、テーマに戻って終了です。

 なんとか弾き切りました。凄く緊張しました。正直、色々言われんだろうな?(笑)と思いました。

 「武田君さ、そのくらい弾けるんなら何も教えることないよ(爆笑)」

 「まさにパット・マルティーノだね!」

 お世辞と思いましたが(笑)、ギター演奏で褒められたことはあまりなかった、と言うか人前で演奏することは大学以来初めてでそんな機会もなかったので凄く嬉しかったです。

 「逆に何を教わりたいの?」

 「アウトのフレーズです。僕もたまに弾いたりするんですが、理論的に理解して弾いてるわけじゃないんです。方法論が知りたいんです。」

 その後、布川さん率いる「VALIS」のピットイン生録を聴かせてもらいました。今思うと「ビートパニック」だったと思います。

 「なんかウェザー・リポートみたいなサウンドですね!」

 こんなバンド、日本には無いと思いました。日本のフュージョンといえば、僕のイメージは「カシオペア」「スクエア」「プリズム」です。そのサウンドとはまるでかけ離れていてびっくりしました。

 日本のフュージョンはほとんど「ギターバンド」です。ギターがテーマを取り、ソロをやり、難しいユニゾンを決め、それはかっこいいですし、ギタリストには大変魅力的でした。でも布川さんのサウンドはどれとも違っていました。テーマのメロディは比較的単調で親しみやすいのですがバックを支えるサウンドが構築された部分とラフな感じがミックスされたアカデミックなサウンドでびっくりでした。

 そして、定期的にレッスンに通うことに決めました。

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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