僕の音楽史(139)
この頃はジャズギター独学とギター、ピアノを中心としたジャズ名盤を聴きまくっている時期で、特にトピックスがないため、正確な月日を覚えている出来事が少ないですが、そんな中で印象に残っていることが一つあります。
ギターの中古盤を買いあさっている中で、今までどうしても手に入らなかった下の写真2枚のアルバムを同時期に偶然見つけて手に入れたことです。いずれもパット・マルティーノの「フットプリンツ(ヴィジットと同内容のアルバム)」と「デスペラード」です。前者は渋谷のタワー・レコード、後者は新宿の中古レコード屋でした。

マルティーノに関しては、随分前にも書きましたが、大学時代に既にあの酒バラの収録された名盤「イグジット」を聴いて以来、好きなギタリストでもあり、中古盤を見つけるたびにリーダー・アルバム購入して聴き続けてはいました。ただ、やっぱりこの時期の僕のアイドル、研究対象といえば「ジョー・パス」と「ブルース・フォアマン」、そして「パット・メセニー」でしたので、好きではありましたが、自分のプレイへの影響という意味では全くない状態でした。酒バラのコピー譜を持っていたので、そのアドリブを部分的に弾いたりしていましたが、まだそんな程度でした。
アルバム「フットプリンツ」に関しては、その素晴らしさに感激しました。8分音符、16分音符でブルース、スタンダードを弾きまくる!まさに僕の求めていた理想のアルバムでした。特に収録曲の「アローン・トゥギャザー」のソロにノックアウトされました。ブレイクの8分音符のノリ、よどみない16分音符、そして最後のオクターブでのソロ、もう「書き譜」のような完璧なソロでした。また、アルバム「デスペラード」では、変則12弦ギターの独特な世界観と「オレオ」での圧倒的な8分音符のグルーブやフレーズのかっこよさ!
この時以来、僕は頭の中が全てマルティーノに占領されてしまいました。今まで購入してきたアルバムを復習するかの様に聴きまくり、リーダー・アルバム以外のサイド・メンとして参加しているアルバムも片っ端から見つけては購入するようになりました。そして、お気に入りの「アローン・トゥギャザー」からコピーを少しづつ始めました。