僕の出会ったギター達(8)

それでは生音をお聴かせしますね。
この楽器、決め手はアンプの増幅した音がなんとも「ギブソン!」だったことが理由でした。ふくよかで、暖かで、日本の楽器のような繊細さはないのですが、いかにもアメリカっていうか、そんな感じでした。ところが、自宅に持ち帰って弾き続けるにつけ、むしろ生音の素晴らしさにびっくりしてしまいます。
以前紹介した91年製の175の生音や今後紹介する予定のビンテージ175のどれとも全く違います。91年の175の生音は「スティール弦の音」というか、金属的な音がしますし、ビンテージものはもっとトレブリーで乾いた音、そして音量が大きいです。一方、この775は「しっとりした音」です。表面は丸みのある感じですが芯があります。特に1〜3弦はコツンした感じがあり、ステール弦の特徴であるキンキンした感じは皆無です。4〜6弦はペタっとした感じです。他の楽器の生音と比べ、とても個性的です。ただ、弱点ではないですが、音量はとても小さいです。ですが、しっかり箱鳴り感が身体に伝わってきます。
この「しっとりとした音」は、775という楽器の特徴なのか、この個体の特徴なのかはわかりません。ただ、この際立った生音のおかげで、今後は絶対に手放すことはできない楽器と感じていて、僕の中での評価は購入当初よりは随分と高くなっています。
次回はアンプ音をお聴かせします。