僕の音楽史(138)
この当時はとにかくジャズを貪るように聴いていました。学生時代の4年間は「慶応ライトミュージック・ソサェティ」と言う素晴らしい音楽団体に所属し、皆が羨むような活動をしていましたが、結局ジャズを何にも聴いていないに等しかったですし、当然ジャズの良さなんかわかるはずもありませんでした。こんな時を取り戻すかのようにギター、ピアノを中心に片っ端から中古レコードを買いまくっていました。そんな当時の拠り所にしていたのは下の写真のような雑誌でした。

ジャズ批評者が出している季刊誌や歴史的名盤カタログを購入し、自分なりに購入の優先順位をつけ、とにかくレコードショップでアルバムを見つけては買っていました。中古盤なので1枚数百円からせいぜい1500円くらいでしたので、月に何十枚くらいのペースで買っていきました。
この手の雑誌はアルバムが年代順にカテゴライズされているので、改めてジャズの歴史、要はスイング→バップ→クール→ファンキー→ハードバップ→モード→フリー......と言ったジャズファンなら常識である変遷がこの時初めて頭に音とともに入ってきました。
この時はそれほど意識はしていませんでしたが、このような貪るように聴いていた時期はその後の音楽脳を形成していく過程で非常な重要な時期だったと思っています。
現在、正直言うと、自分のギタープレイに煮詰まっている今、また当時のように昔のレコードを聴きまくる時期なのかなと考えたりもしています。