僕の音楽史(135)
この頃は仕事や結婚生活にも慣れてきて、ジャズギターをもう一度しっかりと(独学ですが...)学習しようという気持ちの余裕ができました。その時の学習の拠り所としていたのは下のレコードです。

この「ジョー・パス・ジャズ・ギター・クリニック(ライブ!)」は1982年武蔵野音楽院で行われた2日間に渡る彼のクリニックのライブ・レコードです。なんと言っても素晴らしいのは、32ページのブックレットに彼の話した内容が英語と日本語の対訳がつき、おまけに彼の弾いた全ての音が譜面になっていたことでした。譜面には全てコードネームが振ってありました。




絶対音感がない僕にとって、理論的な知識のない状態で和音を採譜するのは非常に困難で時間がかかる作業でした。結果として、単音のものばかり採譜していき、ただパラパラと単音で指を動かすだけの薄っぺらなギタリストになっていきました(これは今でもそうか?)。ジョー・パスは大好きでしたので、結構フレーズ・コピーはしていましたが、肝心のソロ演奏については今までコピー譜は購入していましたが、挫折していました。
このレコードとブックレット、実はこの当時から現在に至るまで繰り返し何度も復習し直しています。写真を見れば、どんだけこの本を使っているかわかりますよね?!写真の中に当時の僕の練習メニューが手書きで書いてあって、非常に懐かしいですね。僕は好きなことには随分と几帳面でこんな計画表を必ず書き留めて計画表通りに毎日実践していたものです。

ここにジョー・パスの全てがあります。彼はこれ以上でもこれ以下でもありません。彼のやっていること全てを本人の口と楽器を使って惜しげも無く解説されています。ちっとも難しい考えなんかでてきません。そして奇抜なアイディアなんてひとつもありません。ジャズ理論がギターに合わせて忠実に構築されています。
このレコードの最後にGブルースの模範演奏に譜面があって、当時は毎日毎日そればっかり練習していたように思います。そして、今でも練習し続けています。
現在、このレコードは手に入るかわかりませんが、彼の教則本の中で、そして全てのジャズギター教則本の中で最高峰と思います。