ギター購入騒動記(89)
「フレット調整が必要なんで、無茶苦茶弦高が高い状態なんですが、もう一本175があります。値段もまだわかりませんが、これも弾いてみます?」
これまた、ルックスの格好良さに目が飛び出てしまいました。
ギターだけで写真を撮っていないので、僕が試奏で弾いている動画のスナップショットです。
まさしくこれです。僕が欲しいES−175の1PUは!

1959年製1PAFのES-175です。写真ではよくわかりませんが、実はボディ全面にウェザーチェックがかなり入っています。僕はウェザーチェックはそんなに好きと言うわけではありません。むしろない方が良いかもしれません。ただ、程よいウェザーチェックは、いかにも「ビンテージ感」を醸し出していてオーケーです。この楽器のウェザーチェックは僕が許せる限界値くらいでした。「このくらいならOKだが、これ以上はちょっとなー」といった感じでした。
早速試奏します。
「弦高が高い」とは言っても、僕は全然平気でした。確かに「弾きやすい」状態ではなかったですが、僕の所有するギターはもともと弦高を高くしているので、全然平気でした。
「ブリッジを一番低くした状態でこの位ですのです。これ以上弦高は下げられませんので、やはりなんらかの調節が必要ですね」とSさんは言います。
「1959年ってのは特別な年ですからね。値段はまだはっきりしたことは言えませんが、60万弱くらいになるのでしょうか?ただ、現行の調整等の工賃が数万くらい上乗せになっちゃいますが。」とのことです。
「もし僕が買うのなら調整はいらないな。少しでも安い方がいいので」
最初に弾いたP90のES-175とこの楽器とを何回か持ち替えて弾き比べました。
アンプ音はどちらも気に入ってしまいました。P90の音の分離感も最高でしたし、ハムのパワフルなサウンドもまた最高でした。ただ、僕の演奏スタイルやキャラを考えるとハムの方かなと思いました。そして、こちらの175の方がもともと求めていた175に近いルックスでした。ただし、生音の方はP90の175の方が圧倒的でした。こんな素晴らしい生音は今まで一度も聴いたことがないほどでした。ハムの方はビンテージものなので、系統的には似かよった音ではありましたが、箱なり感がP90に比べあまりなかったように思います。音量差も歴然でした。
何度も何度も持ち替えて弾き比べたのちにギターを置きました。
「ヤフオクはやめた!今はビンテージは予算不足でとても買えないが、ヤフオクでお金を使ってしまえばこんな素晴らしいビンテージ楽器を購入する時期が遠のいてしまう。」
ヤフオクはどうせ再高値を更新されてしまったので、ほっておけばどっちにしても他人のもとに渡ります。
「ん?待てよ。買う方法があるぞ。今持ってる楽器を何本か売ればビンテージ楽器代の全額と言うわけではないものの結構な足しになるな。しかも、ヤフオクと違ってクレジットカード使えば分割も使えるし」
もう気持ちの高ぶりは止まりません。
さて何を売ろう??
そして、買うならどっち???

