ギター購入騒動記(87)
オークション終了の日の朝、目を覚ますとすぐさまスマホで例のES--175の入札状況をチェックします。

「あっ!」
当日の夜中3時頃、僕の入札価格を1000円上回る値段で入札があり最高値が更新されていました。
「いよいよ動きがあったな。」
こう思った反面、「こんな感じでセコく1000円づつ入札価格を上げていくのは面倒だ。挙句に即決価格で競り落とされてしまうくらいなら、一気に即決価格で今すぐこの場で勝負を決めちまおう!」とも考えました。せっかくの休日にオークションを気にしながら過ごすのも嫌ですし、もともと即決価格は29万8千円はギタプラのSさんに言わせれば「妥当な価格」とのことです。絶対こんな価格では通常のお店では手に入ることはありません。
「よし。勝負に出よう。ジ・エンドだ!」
アプリの入札画面を開け、「298000円」と入れ入札ボタンを押そうと思いましたが、なかなか押せません。
もう一人の自分が何度も囁きかけてきます。
「音も聴かないで決めていいのか?」
今までどんな楽器も音を聴かずに買ったことは一回だけ、数万円のエレガットのみです。
こんなことが頭の中でぐるぐると巡っているうちに、急に何日か前にネットで見たES-175のP901PUの写真を思い出しました。
「そういえば、あの楽器はどうなったのだろう?」

どうせ買えるわけもない値段でしたが、頭を冷やすためにも一旦ヤフオクから離れた方が良いと思いました。ヤフオクのアプリを閉じ、ギタプラのホームページを開けます。
「まだあるな!」
この写真を眺めながら次のようにのように考えました。
「これからギタプラに行って、この楽器を試奏させてもらおう!ヤフオク入札の動きは今現在止まっているのだから、この場で慌てて競り落とすことはない。この場で競り落としてしまうとギタプラの175はもう決して弾くこともないだろう。競り落とすのはこの楽器を弾いてからでも遅くない。この楽器、どうせ予算的に手が出ないのだから。」
すかさずギタプラSさんにメッセージを送ります。
「今日はお店にいらっしゃいますか?」
「出勤しております!」
日曜なので当たり前ですね。
善は急げ、お昼過ぎに御茶ノ水に向かいます。