マイナー・コンバージョン・コンセプト(24)
Fm7 / G や Dm7♭5 / G というコードは通常はあんまり見かけないコードですが、マルティーノの楽曲には必ずといって良いほど登場するサウンドで、これが彼のプレイのダークな雰囲気を形作っていると言えます。それぞれのサウンドは下のような感じです。
分数コードだからといっても怖がる必要ありません。まず、分子のコードに着目します。Fm7ですからマイナーにコンバージョンすることなくFドリアンで弾けますね。また、Dm7♭5はFmにコンバージョンできます。わからない人は過去の記事(16)を復習してください。つまり、どっちもFmと考えてFドリアンでなんかいけそうです。
次に分母に着目します。G音は最低音の指定です。先のFドリアンの中にG音が無ければ、Fドリアンで弾いた時に違和感を感じることになると思われますが、Fドリアンスケールの第2音、Fmの9thの音ですから全く問題ありません。
下がそれぞれのコード上でFドリアンスケールで弾いたサンプル動画です。
朝起きていきなり弾いたので、あんまりいい感じの演奏ではありませんのでご了承ください(笑)。
ギタリストはFm7、Dm7(♭5)のコードをそれぞれ「押さえ方(指の形)」で覚えていて、何の音を鳴らしているか意識していない人が多いと思います。そのせいで、なんか「別の和音」のような気がするのでしょうが、どっちのコードもは構成音がF A♭ C で一緒で、上で説明している内容は至極当たり前のことを言っているだけです。
