僕の音楽史(131)
次回はこの「いもはうす」でのシークレット・ギグについて、記憶が曖昧ですがなんとか思い出しながら書いてみようと思います。
こうは言ったものの、正直記憶が曖昧なので、もしかして間違った記述もあるかもしれませんので、あらかじめご了承ください。
9月か10月頃だったと思います。ライブはセカンド・セットの入れ替え制だったのでしょうか?、僕は確か当日スーツを着ていた記憶があるので、会社帰りのセカンド・セットにきっと観に行ったのだと思います。ライトのピアニストだった同期のTさんと待ち合わせて一緒に行ったような気がします。彼女はそんなにパット・メセニーに興味があったわけではなかったと思いますが、僕がよく聴かせていたし、「ジェイムス」でのライル・メイズのことは気に入っていた様子でしたので、そんなに嫌がらずについてきたのだと思います。
会社帰りで、多分開演間も無くに会場入りした関係で、立ち見でした。でも、室内にレンガの壁(?)みたいなものがあって、そこに肘をつきながら観ることができたので、そんなに足が疲れた記憶がありません。
數十分もすると、例の175のネックを持って満面の笑みのメセニーが目の前を通り過ぎて行きました。
「あれ、俺より背が低い?」
アメリカ人にしては随分と小柄だなと感じたことを覚えています。一曲目は何だったか記憶にありませんが、多分「Turnaround」だったのではないかと思います。
演奏した曲で覚えているのは、メセニーの曲では「エクストラディッション」ですね。GRー300の例の音、今では自分でも気軽に出せる音になりましたが、当時は目の前でガンガン出されると本当に感動ものでした。「ファーマーズ・トラスト」もやったかな。「ジェイムス」はやらなかったかな?
一番記憶に残ってるのは次の2曲です。ミルトン・ナシメントの「ヴェラクルーズ」とスタンダードの「オール・ザ・シングズ・ユー・アー」。特に「オール・ザ・・・」は「一体いつ終わるんだろう?」というほど延々と弾きまくっていましたね。この曲、当時は今ほど人気曲ではなかったように思います。また、この頃まではベンソンのライブ演奏が1番のお気に入りでしたが、その時「ベンソンを明らか超えてるな」と感じた記憶があります。
はっきりと覚えてることが一つあります。
演奏が終わり、メセニーがギターのネック上部を握りながら楽屋に引き上げる時に再び僕の目の前を通りました。僕はその時、肘をついていた目の前のレンガの壁の上にビール・グラスを置いていたのですが、彼はギターのヘッドで僕のビール・グラスを引っ掛けてしまい、僕のスーツのズボンがビールでびしょ濡れになりました。彼は「Very Sorry !」とすかさず詫びてきました。英語が不慣れな僕は緊張からか、恥ずかしいことに「Thank You ! 」と応えていました(笑)。そのスーツは記念に洗わずにいたことは言うまでもありません(笑)。
この日以来、一段とメセニーばかり聴くようになったように思います。
この時のメセニー・グループの来日公演の記憶はほとんどありませんが、確か、例の親友新保君と中野サンプラザで観たような気が...。
これ以降、何年かかは彼らが来日するたびに必ずコンサートに足を運ぶようになりました。

