僕の音楽史(125)
寺さんの「コンファメーション」のアレンジは僕のお願い通りに出来上がっていました。まさに「テーマはアルトとユニゾンで弾いたら、後はほとんどピアノトリオをバックに何コーラスも弾きまくりますので、所々合いの手みたいに管を入れてくれるだけで良いですから」の通りでした。
当時、深くは考えませんでしたが、これはある意味「挑戦」でした。凝ったアレンジやアンサブルはなく、ほとんどが「ギター・カルテット」状態です。文字通り「フューチャーもの」です。僕のギターがパッとしなければ、この曲はおしまいとなってしまいます。
ギター・ソロの研究、練習も実は暗礁に乗り上げていました。どう言うことかと言うと「コンファメーション」という曲そのものを演奏しているギタリストが全くいなかったのです。この曲に決めたきっかけとなった「リッチー・コール5のブルース・フォアマンのライブ演奏」以外のギタリストの演奏を見つけることができませんでした。当時は、現在のように「インプロビゼーション」という感じでこの曲を弾く力量はありませんでした。コンファメーションに限らず今までソロのある曲も「100%書き譜」と言うわけではないものの、ある程度フレーズや構成を考えておいて、「出てくる順番や組み合わせが変わる」、そんな感じで演奏していました。
参考にする題材がないので、ほぼ自力で考えるしかありませんでした。今まで自分のお気に入りのフレーズを試行錯誤弾いてみて、コンファメーションの色々な場所にあてはめて弾いてみて「このフレーズは使える、これはここじゃない、こっちのコード進行で使おう!」なんて、フレーズ・ストックを棚卸ししながら、毎日一ヶ月ほど弾いましたので、リサイタル前の合宿の頃には八割がたは出来上がっていました。
これがリサイタル前の「直前通し練習」の時の演奏の録音です。2年ほど前に一度Facebookに上げたことがあるので、聴いたことがある方もいるかもしれません。
残念ながら、リサイタル本番の録音は現在行方不明でお聴かせすることができません。以前は所有していたはずなのですが、どうしても見当たりません。
このブログを読んでいるライトのOBで、この時の録音をお持ちの方は僕に連絡ください!
こうして、僕は文字通り大学生最後音楽活動となるリサイタルを迎えたのでした。
※写真は僕が卒業時のリサイタルのものではなく、1982年リサイタルですね。多分寺さんのフューチャー曲を演奏している時と思います。

