僕の音楽史(124)
就職先も決まり一息ついた83年の年末頃にもなると、翌3月に行われるライトのリサイタルで演奏する自分のフューチャー曲を決めなくてはならない時期でした。僕は結構あっさりと決めました。曲は「コンファメーション」です。
ライトのリサイタルで演奏するフューチャー曲を決定するにあたり結構早くから決めていたことがあります。それは「ビ・バップ」から選曲しようということです。
僕は学生ビッグバンドのギタリストとしては異端児でした。いわゆる「ジャズ」はあまり弾けませんでしたし、フレディ・グリーンのような「刻み」を売りにするギタリストでもありませんでした。むしろ、そんなのは退屈でしたし、16ビートのカッティングや歪み系の音でソロを取ることが多かったので、そういった感じで評価してくれていた人はいたかもしれませんが、けっして僕を「ジャズ・ギタリスト」とは思っていなかったと思います。最後くらいは「ジャズ」、しかもコンテポラリーなものではなく、「ビ・バップ」を弾いて、それも、がっつり弾きまくって「こいつ、ジャズも弾けるのか!」と思われてライトを終えたいと思っていました。
それをやるための格好の研究材料として、以前もこのブログで紹介した「ブルース・フォアマン」という素晴らしいギタリストが最適でした。この時点で既に結構コピーしていましたが、さらにコピーしまくりました。
アレンジは先輩ピアニストの寺さんがやってくれることになりました。たまたまOBとして顔を出してくれた時に「武田のフューチャー曲は俺がアレンジしてやるから」と言ってくれていたので、お言葉に甘えてお願いすることにしました。
寺さんに「どんな感じにする?なんか希望ある?」と聞かれたので、こう答えました。
「特に希望はありませんが、凝ったアレンジにしないでください。テーマはアルトとユニゾンで弾いたら、後はほとんどピアノトリオをバックに何コーラスも弾きまくりますので、所々合いの手みたいに管を入れてくれるだけで良いですから」
素晴らしいアレンジャーでもあった寺さんを完全にバカにしてますね、今考えると....(笑)。
でも、本当にそんな感じでアレンジは出来上がって来ました。とても嬉しかったですね。
