僕の音楽史(122)
大学4年の夏、ライト・ミュージック・ソサイェティはボーカル・バンド「カルア」とともにオーストラリアに演奏旅行に行きました。僕はマネジャーではなかったので、どういう経緯でこうなったのか知りませんが、僕にとっては初めての海外でした。
シドニー音楽学校のビッグ・バンドとの共演や繁華街「マーティン・プレイス」での野外演奏、夜のライブハウスでの演奏、そして初めてのホームステイの経験等、例によって詳細は全く記憶がないのですが、大きな事故もなく演奏については楽しむことができたのだと思います。記憶に残ったことを少々。
まず、10時間あまりの飛行機での旅は初めてだったのですが、予想通り結構つらいものがありました。もともと僕は高所恐怖症気味でジェットコースターの類は一切ダメな人間なので、離陸、着陸には参りました。また、今のようにスマホなどない時代ですから、やることと言えばウォークマンで音楽を聴くことくらいしかありませんでしたので、安定飛行に入っても随分と退屈だった記憶があります。
対バンのギタリスト、大学生なはずなのですが、見た目はもう30代くらいに見えましたし、すごく上手くて、自分の実力のなさを思い知らされました。
また、1学年での必修英語の単位を落とし、未だ日吉に週1通わざるを得ないような僕の語学力ですから、ホームステイ先でも何一つコミュニケーションができませんでしたし、もともと海外旅行などには全く興味がない人間でしたので、この後オーストラリアに何回かいく機会があったのですが、まるで初めって言ったような気にはなりました。
この頃は、前回もお話しした通り「トラベルズ(ライブ) / パット・メセニー 」ばかり聴いていて、今でもこのアルバムの「ついておいで」「ザ・フィールズ、ザ・スカイ」を聴くとオーストラリア演奏旅行での断片的な記憶や風景が脳裏に蘇って来ます。

※下の写真は僕の在籍時の写真ではありません。
