マイナー・コンバージョン・コンセプト(17)
昨年から2回にわたって「Dm7(♭5) → Fm 」を説明して来ました。「マイナー7thフラット5th」はロック出身のギタリストには馴染みがないコードで、ジャズを勉強している方々が挫折する部分でもあるのでしつこく解説しているのでありますが、今回は実践として、思いつきでいい題材を見つけたので締めくくろうと思います。
パット・マルティーノのアルバム「コンシャスネス」の中の楽曲に「Willow」という曲があります。何とも言えないダークな雰囲気の曲なのですが 、そのダークな雰囲気を醸し出している理由としてこの曲のイントロ、インタールード部分が挙げられます。なんとF#m7(♭5)一発のリフとコード・サウンドです。このコード・サウンドに乗って、彼は得意のAm7(Aドリアン・スケール)で縦横無尽に弾きまくっています。
最初、何でAマイナーで弾きまくってしっくりいくのかが理解できませんでした。「マイナー7thフラット5thはロクリアン」と理論書には書いてありますが、ロクリアン・スケールなんてさっぱりわかりません。のちにマイナー・コンバージョンの概念がわかってから、「Amで弾けばいいんだ!」と頭の中がスッキリしました。
下の動画がそのイントロ部分をモチーフにして弾いてみた例ですので、参考にしてみてください。思いつき&やっつけで撮ったので、ところどころリズムが乱れたりしてますがお許しください。そして、この動画を見た後は必ずパットの演奏を必ず聴いてみてくださいね。僕の演奏の百倍はすごいですから。いや、比較になりませぬ。
今年もこの講座よろしくお願いします!
