僕の音楽史(119)
僕以外のリズム隊、久野さん(p)タダシさん(b)中村さん(ds)の3人がこの3月のリサイタルをもってめでたく卒業を迎えるということは、以前もお話ししたとおりですが、その3人と最後の演奏になるであろうリサイタルではあったはずなのですが、あまり記憶がありません(笑)。
僕は彼ら3人の素晴らしいミュージシャンに対して今思うことは一つです。
「あの時、僕がもう少しギターが上手く弾けていたら、本当に楽しかったのにな」と言うことです。
ピアノの久野さんは絶対音感もあり、フルバンドのアレンジもライトに提供しているそんな才能の持ち主でしたし、ただしさんは本当に安定感のあるベーシストで、一緒に演奏していてストレスを感じることは全くありませんでした。また、ドラムスの中村さんは、例のカシオペア神保さんの後を引き継いでレギュラーになったことは凄いプレッシャーだったと思いますが、別の意味で(別の土俵で?)一時代を築いた素晴らしいドラマーだと思います。彼のミディアム・スィングのノリは当時の学生バンドではピカイチでしたし、僕のジャズのノリは彼と一緒に約2年ほど演奏したことによるものが大きいと思うのです。
そんな3人の中で、僕は謙遜でもなんでもなく、ギタリストとしてあまりに未熟でした。今の半分ぐらいの力量があれば、色々な事ができて面白かったのになと思います。また、3人とも学年が上でしたから、同期や後輩と同じ感じに接するっと言うのも若干抵抗がありました。3人とも、もちろん気兼ねなく話せる感じではありましたが。
このリサイタルをもって、彼ら3人とはお別れとなりました。その後、僕は彼ら3人とは公式の場では一度も演奏したことがありませんし、数えるほどしか会っていません。
僕はこの3人がいなくなった時点でもうライトには正直全く興味がなくなりました。3人ものメンバーがいなくなった訳ですから、もともとレギュラーだった僕が新しいメンバー達を引っ張って行かなくてはいけない立場であるはずですが、興味はライトのリズム隊のことではなく、自分のギター・プレイに100%向けられました。
「上手くなりたい!いや、上手くならないといけない!」
