質問箱(5)
【質問】
コードに合わせたスケールを弾いてアドリブを組み立てていますが、音は外さないものの、ちっともコード感のあるソロが弾けないのですが、どうしたら良いのでしょう?
【回答】
まず「コード感のあるソロ」ってどう言うものでしょう?
生徒さんに突っ込んで聞いてみると「コード進行が感じられるソロ」もう少しわかりやすく言うと「バッキングなしでたった一人で弾いていてもコード進行が感じられるソロ」ということでした。僕なりに解説してみます。
例えば「Dm7ーG7ーC△7(ⅡーⅤーⅠ)」という進行があったとします。Dm7のアベイラブル・ノート・スケールはDドリアン、G7はGミクソリディアン、C△7はCイオニアンです。これ、始まる音が違っても要はドレミファ....です。したがって、ただドレミファ...を弾いていれば、音は外しませんが、コード感は感じられません。それが下の動画ですね。
じゃ、この動画はどうですか。ほんのちょっとだけですがコード感が感じられますよね。何が違うのでしょう?
ちょうどコードがDm7からG7に変わる時に「C → B」、G7からC△7に変わる時に「F → E」出しています。逆に言うとたったそれだけです。理論的に解説するとDm7の時のC音は7thの音、G7のB音は3度の音です。要は「7thで不安定になり3度で安定」という動きです。同様にG7の時のF音は7thの音、C△7のE音は3度の音、これも同じく「7thで不安定になり3度で安定」です。これがコードの変化を感じることができるようになる一つ要素です。
誤解しないでくださいね。「こうすることが良い」とか「こうしないとダメ」ってことではないですから。「コード感に縛られず、素朴にドレミ..で歌う」ということの方が難しく、むしろかっこよかったりします。
毎回このような動きをすることなどないのですが、ソロの要所要所にこのような動きを散りばめることで、全体としてコード進行が感じられるソロになるのでは?と思います。
