僕の音楽史(118)
ライト・レギュラー・メンバーのうち、僕以外のピアノ、ベース&ドラムスの3人が卒業を迎えることは前回お話しした通りです。そして、彼ら3人がリサイタルで行うフューチャー曲のうち、僕にとって一番印象に残った曲はベースのタダシさんが選んだラン・アウェイでした。それは何故かというとギター・ソロが貰えたからでした。
タダシさんは親切にも「武田もソロ何コーラスかやれば?」と言ってくれました。僕が「ギター・ソロがなくて面白くない!」と、いつも不満を漏らしていたので気を使ってもらったのだと思います。もちろんお言葉に甘えてソロを数コーラスいただくこととなりました。
この曲はGのブルースでした。当時、僕は未だスタンダードはあまり上手に弾けませんでしたが、ブルースならそこそこアドリブ演奏で数コーラスくらいは弾けるレベルではありました。ただ、せっかくのリサイタルですし、先輩のフューチャー曲なので不甲斐ない演奏してもやり直しはききません。したがって、ジャズ・ギタリストの誰かの演奏をコピーして、アドリブ演奏ではなく書き譜でやろうと思いました。色々題材になりそうな曲を探しましたが、キーがGのブルースってのはなかなか見つけることができませんでした。
結局どうしたかと言うと、下のウェスの名盤「ハーフノートの....」の一曲目「ノー・ブルース」、この曲は実際はキーがFで演奏されていましたが、最初の2コーラスのソロをGに転調して演奏することに決めました。
実際どんな演奏だったかは全く記憶はないのですが、間違えずにまんま弾けたと思います。でも、所詮はウェスのパクリですから、聴いていた人の中には気がついた人がいて「なーんだ」と思った人もたくさんいただろうなと考えると、そんなことやらずにアドリブでやればよかったなと今では後悔しています。
