マイナー・コンバージョン・コンセプト(15)
今回は「マイナー7thフラット5th」のコンバージョンについてです。これも前回まで説明してきたV7のコンバージョンの次に重要な部分ですので、何回かに渡って解説します。
「マイナー7thフラット5th」のサウンド、これはロックギター出身の僕にはとても魅力的なサウンドでした。ジャズに限らずポップスやフュージョンでは当たり前のように使うこのコード、ロックのパワーコードでは対応できません。パワーコードってのは1度と5度の音、ディープ・パープルのスモーク・オン・ザ・ウォーターを聴けばわかります(笑)。5度の音なのですから「フラット5度」にはさすがに無理っぽいですよね。
ジャズの理論書にはこう書かれています。
「マイナー7フラット5はロクリアンスケールを使用します」
Dロクリアン・スケールトは下の譜面の(a)の音列。実際にDm7(♭5)上でDロクリアン・スケールを弾いてみたのが、下の動画。まー、確かに理論書のとおり合いますよね。

このロクリアン・スケールってのが全く馴染みのない音列、従って運指も不可解でいつまでたっても覚えられず、弾けるようになりませんでした。
もう一度上の譜面に戻って(b)の音列に注目です。
Dロクリアン・スケールをF音から弾き始めて見ると、何のことはない、今までずっと解説してきて、馴染みのあるFドリアン・スケールではないですか!
下の動画をご覧ください。
どうですか?合いますよね。当たり前です。DロクリアンとFドリアンの2つのスケールは同じ構成音で始まる音が違うだけなのですから。実際アドリブ演奏で始まる音が何かもクソもないわけですから、全く同じものと考えられるわけです。最後の方でちょっとだけこのスケールを使って、フレーズぽい感じで弾いています。
結論「Dm7(♭5) をFmにコンバージョンして、Fドリアン・スケールで弾く」が成り立つわけです。
大事なところなので、次はギターの指板を使って、違った角度から解説しようと思います。
