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マイナー・コンバージョン・コンセプト(15)

【 Dm7(♭5) → Fm 】

 今回は「マイナー7thフラット5th」のコンバージョンについてです。これも前回まで説明してきたV7のコンバージョンの次に重要な部分ですので、何回かに渡って解説します。

 「マイナー7thフラット5th」のサウンド、これはロックギター出身の僕にはとても魅力的なサウンドでした。ジャズに限らずポップスやフュージョンでは当たり前のように使うこのコード、ロックのパワーコードでは対応できません。パワーコードってのは1度と5度の音、ディープ・パープルのスモーク・オン・ザ・ウォーターを聴けばわかります(笑)。5度の音なのですから「フラット5度」にはさすがに無理っぽいですよね。

 ジャズの理論書にはこう書かれています。

 「マイナー7フラット5はロクリアンスケールを使用します」

 Dロクリアン・スケールトは下の譜面の(a)の音列。実際にDm7(♭5)上でDロクリアン・スケールを弾いてみたのが、下の動画。まー、確かに理論書のとおり合いますよね。

CCF20181223_2.jpg



 このロクリアン・スケールってのが全く馴染みのない音列、従って運指も不可解でいつまでたっても覚えられず、弾けるようになりませんでした。

 もう一度上の譜面に戻って(b)の音列に注目です。

 Dロクリアン・スケールをF音から弾き始めて見ると、何のことはない、今までずっと解説してきて、馴染みのあるFドリアン・スケールではないですか!


 下の動画をご覧ください。




どうですか?合いますよね。当たり前です。DロクリアンとFドリアンの2つのスケールは同じ構成音で始まる音が違うだけなのですから。実際アドリブ演奏で始まる音が何かもクソもないわけですから、全く同じものと考えられるわけです。最後の方でちょっとだけこのスケールを使って、フレーズぽい感じで弾いています。


 結論「Dm7(♭5) をFmにコンバージョンして、Fドリアン・スケールで弾く」が成り立つわけです。


 大事なところなので、次はギターの指板を使って、違った角度から解説しようと思います。

IMG_1405.jpg

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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