僕の音楽史(117)
1982年も終わり83年の幕開けです。
この頃になると毎年恒例のリサイタルのことが気になってくる頃です。
この年のリサイタルを最後にいつも音楽的に随分と助けてくれていたリズム隊のピアノ、ベース、ドラムス、要はギターの僕以外の3人がこのリサイタルをもってめでたく卒業となります。
以前お話ししたように、卒業を迎える方々は必ず一曲フューチャー曲を演奏します。彼ら3人が一体何を演奏するのだろうかと興味がありましたし、少なくても彼らの選んだ曲は心を込めて演奏しようと思いました。
ピアノの久野さんは「It Could Happen To You」、ベースのタダシさんは「Run Away」で、偶然にも下の写真のケニュー・ドリュー・トリオの「ダーク・ビューティ」というアルバムの演奏をベースにフルバンドにアレンジしたものでした。ドラムスの中村さんの曲は、どうしても曲名が思い出せません。この投稿を読んだ方、わかったら教えてください!久野さんは自らアレンジしていたと思いますし、端さんのやつは僕の記憶が正しければ、寺さんがアレンジしていたと思います。

ギターばかり聴いていた僕は、当然このアルバムは聴いたことがありませんでしたので、早速このアルバムを購入しました。人生で初めて購入したピアノ・トリオ・アルバムでした。
ベーシストのペデルセンはジョー・パスのレコードで既になんども聴いていて大好きなベーシストでした。また、ドラムのアルバート・ヒース、ドラムのスネアやタムの音があまりジャズっぽい録音ではなかったのですが、僕はかえってその方がいいなと思っていました。そして、久野さんのビッグバンド・アレンジはケニー・ドリューのプレイの美味しいところが散りばめられていてすごくいい感じに仕上がっていました。
実はこの頃「ビッグバンドのアレンジを久野さんに教わってみようかな?」と思っていました。先代のピアニストの寺さんもアルトの淳平さんも皆んなアレンジをライトに提供していましたし、自分のフューチャー曲は自らアレンジしていたりしたので、僕もできるようになりたいと一時期思っていました。
結局、怠け者の僕は行動を起こさずじまいに終わりました。そして、今現在もアレンジどころか譜面もろくに書けませんし、曲もほとんど書きません。そして、別コーナーでやっている「マイナー・コンバージョン」なんて概念を数年後に発見し、自分のプレイに取り入れるようになってからはもう完全に一般的なジャズ理論から遠ざかってしまいました。