僕の音楽史(109)
1981年も明け、82年にもなると3月のリサイタルのことが段々気になりだしました。前回書いたように尊敬するピアノの寺さんの卒業に向けてのフューチャー曲などが気になる時期でもありました。
寺さんは自分のフューチャー曲について、確かこう僕に言っていた様に記憶しています。
「今曲書いてる。武田にもソロあげるからさ」
そして出来上がった譜面を見ました。はっきりとは覚えていませんが、曲は確か「SENSI.....」だったと思います。そして、寺さんが言っていた通りに僕のソロがありました。
「あ、マイナー7th一発!しかもサイズが決まっていない!」
寺さんは「武田さ、ディストーションかけてギンギン弾いていいからさ、そう、マイク・スターンみたいな感じ」
それ以外にリサイタルの演奏曲で印象に残る曲が2曲あって、1曲はスタンダードの「スーン」、もう1曲はチック・コリアの「サンバ・ソング」です。
「スーン」はどこかのビッグバンドが演奏しているアレンジで、いきなりワン・コーラスのギター・ソロ、2コーラス目はピアノとの4バースがあったと思います。そう、この時のアレンジの演奏は色々なビッグバンドでの演奏がYoutubeで今でも聴くことができます。実のかっこいいアレンジですね。
「サンバ・ソング」は有名なチック・コリアの「フレンズ」からのもの。これは寺さんのオリジナル・アレンジだった記憶があります。フルバンドのアレンジとは言っても、僕の記憶ではチックの演奏のほぼ再現の様な感じでしたね。驚いたのはテナー・ソロのあとのベースとドラムのソロ。あの本ちゃんでのゴメスとガッドのソロを、ベースのタダシさんとドラムの中村さんはほぼ忠実に再現ができていた様に記憶しております。改めて彼らの実力にびっくりさせられたものです。

寺さんのフューチャー曲でのマイナー7th一発の研究、そしてアドバイスの通りマイク・スターンを研究することにしました。