僕の音楽史(103)
「酒バラ」を弾けるようにならなくては!との思いから、酒バラを演奏しているギタリストのレコードを買って研究しなくてはいけないと、いつもの新宿ディスクユニオンのギタリスト・コーナーの中古レコードを片っぱしから探しました。「BOSS GUITAR」でウェスが演奏していたのは雑誌の情報で知ってはいましたが、残念ながら中古レコードにはありませんでした。当時はとにかく枚数を買いたいので、安い中古レコード以外は買いませんでした。
レコードを棚から出し、裏面に記載された曲をざっと目を通し「THE DAYS OF WINE AND ROSES」と書いてあるレコードを片っぱしから探していきます。今現在考えても、ギタリストで演奏しているレコードはなかなか思い浮かばないくらいですから、あまり演奏しているギタリストがいないのでしょう。
たまたま下のレコードを見つけました。

「あった!誰だ?!Pat Martino?名前はなんて読むんだろう。マルティーノ?アメリカ人ではないのかな」
彼については何の予備知識も持っていませんでしたが、とにかく買って帰ります。「酒バラ」以外にも「ブルー・ボッサ」も「アイ・リメンバー・クリフォード」も収録されています。「アイ・リメンバー・クリフォード」はライトで以前レパートリーになっていたので、知っている曲でしたし大好きな曲でもありました。
当然これら3曲が収録されているB面に先に針を落とします。イントロもなくいきなり太い音の単音で酒バラのテーマが始まります。
「いい音だ、結構いい感じ?コード弾きはしないんだな。なんというゆったりとして音符が長い人だろう?心地よいノリだ」
テーマを演奏している間は比較的冷静に分析しながら聴いていられました(笑)。そして、あのブレイクの2小節が始まります。
「え?何これ?」
思わず、もう一度針を元にに戻して、再度聴き直しました。
「こりゃ、すごい。まるでマシンガンだ!」
これが、僕の人生を変えたとも言える「パット・マルティーノ」との出会い(?)でした。