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マイナー・コンバージョン・コンセプト(5)

【マイナー・コンバージョン・コンセプトとはどんなコンセプトか?(4)】

「なんで(メジャーではなく)マイナーにコンバージョンするのか?」

 について書こうと思います。

 先に言っておきたいのは、「メジャーに置き換えて考えてはいけないのか?」ってことなのですが、答えは「いけないことなどありません」です。もっと言ってしまうと、「フリジアン」だろうと「リディアン」だろうと「ミクソリディアン」だろうと何に置き換えて考えたって良いのです。問題は「全て一つのスケールに置き換えることによって脳みそから指までの伝達経路を簡素化する」ことが重要なのであって、「マイナースケールに置き換える」ことが目的なのではありません。

 じゃ、なんで「マイナースケール」にコンバージョンするのでしょう?

 
ここからはあくまで想像です。

 一つはペンタトニックスケールの存在ですがあるのではと思います。ロックに代表されるギター・ミュージックでこのスケールを知らない人はいないでしょう。ある意味、メジャー・スケール(イオニアン、ドレミファソラシド)よりも有名です。マイナーだろうとメジャーだろうとキーがわかれば、このスケールで、ほとんどの曲のソロは弾けてしまいます。下の図をご覧ください。Cのキーでのペンタトニックとマイナー・コンバージョンで一番の使用頻度の高いドリアン・スケールを指板上に表してみます。ペンタトニックは黒丸です。それに◎の6度(A音)と9度(D音)を足すとドリアン・スケールの出来上がりです。ほぼ同じ運指、ポジションで弾けてしまうので、ある意味ギタリストにとっては、このマイナー(ドリアン)の運指というのが身近でなじみのあるものだったのではと考えます。
CCF20180904.jpg
 もう一つは、「インプレッション」「ソー・ホワット」など、ジャズの有名なモード奏法もドリアン・スケールをベースに書かれた楽曲です。コード一発のジャズの楽曲はドリアン・モードで書かれたものが大変多いです。やはり、最初の理由と同様に、ジャズ・サウンドとして馴染みのあるスケールやサウンドであることも理由の一つなのではと思います。

 さて、今までの解説で「マイナー・コンバージョン・コンセプト」がどのようなコンセプトが大体理解できたと思います。

 それでは、次回から実戦に入っていきます。

 お楽しみに!

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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