マイナー・コンバージョン・コンセプト(5)
「なんで(メジャーではなく)マイナーにコンバージョンするのか?」
について書こうと思います。
先に言っておきたいのは、「メジャーに置き換えて考えてはいけないのか?」ってことなのですが、答えは「いけないことなどありません」です。もっと言ってしまうと、「フリジアン」だろうと「リディアン」だろうと「ミクソリディアン」だろうと何に置き換えて考えたって良いのです。問題は「全て一つのスケールに置き換えることによって脳みそから指までの伝達経路を簡素化する」ことが重要なのであって、「マイナースケールに置き換える」ことが目的なのではありません。
じゃ、なんで「マイナースケール」にコンバージョンするのでしょう?
ここからはあくまで想像です。
一つはペンタトニックスケールの存在ですがあるのではと思います。ロックに代表されるギター・ミュージックでこのスケールを知らない人はいないでしょう。ある意味、メジャー・スケール(イオニアン、ドレミファソラシド)よりも有名です。マイナーだろうとメジャーだろうとキーがわかれば、このスケールで、ほとんどの曲のソロは弾けてしまいます。下の図をご覧ください。Cのキーでのペンタトニックとマイナー・コンバージョンで一番の使用頻度の高いドリアン・スケールを指板上に表してみます。ペンタトニックは黒丸です。それに◎の6度(A音)と9度(D音)を足すとドリアン・スケールの出来上がりです。ほぼ同じ運指、ポジションで弾けてしまうので、ある意味ギタリストにとっては、このマイナー(ドリアン)の運指というのが身近でなじみのあるものだったのではと考えます。

もう一つは、「インプレッション」「ソー・ホワット」など、ジャズの有名なモード奏法もドリアン・スケールをベースに書かれた楽曲です。コード一発のジャズの楽曲はドリアン・モードで書かれたものが大変多いです。やはり、最初の理由と同様に、ジャズ・サウンドとして馴染みのあるスケールやサウンドであることも理由の一つなのではと思います。
さて、今までの解説で「マイナー・コンバージョン・コンセプト」がどのようなコンセプトが大体理解できたと思います。
それでは、次回から実戦に入っていきます。
お楽しみに!