ジャズギター裏口入学(29)
前回「とにかく、そんな細かいこと気にせず、「2−5−1」や「3−6−2−5」などと思しきものは、ひとつひとつのコードやテンションなど気にすることなどなく、まずは「ひとつの塊」としてまるごとコピーして、徹底的に繰り返し練習し、弾ける様になることが重要と思います。」とお話ししましたが、具体的にやり方を説明します。
動画を2つ用意しました。いずれも、CのキーのⅡーVーIー(Ⅵ)のバッキングでいわゆる「ジャズの定石フレーズ」を弾いています。
最初の動画の1フレーズ目は「ドレミ・・・だけしか使わずに弾いてみたもの」、2フレーズ目は「ドレドラ16分音符をクロマチックで降りて言ってG7でちょっとだけオルタードスケールを使って見る」といったいかにもジャズっぽいフレーズ。ともに初級編のフレーズです。
2番目の動画の1フレーズ目は「Dm7♭5をFmにコンバージョンしてFmのアルペジオ・フレーズを弾き、クロマッチックで上昇してGのオルタードに解決」説明すると難解ですね(笑)。逆に次のフレーズはコード進行考えず、ブルース・ペンタトニック一発で決める!
前回僕が
「理解している。でも、弾けない。」と「分からない。でも、弾ける。」 皆さんは、まずはどっちを選びますか?
と問うて、一部の方に誤解されたり、あるいは気分を害した方もいたようですが、次のようなことを言いたかっただけなのです。
例えば、上のようなフレーズ、どういう考えに基づいたフレーズかを説明すると、上に書いたカッコの中の内容になると思います。まだ別の説明や解釈もできます。そして、この説明や分析は「今の僕」だからできるのであって、ジャズ初心者の方がこのフレーズの分析ができるかというと、特に2、3番目のフレーズなんかは難しくてわからないでしょう?
僕が言いたいのは、「理解できない、ゆえにこのフレーズを弾かない(弾けない)」ってのはもったいないでしょう?だったら、まずは「分からなくてもこのフレーズが弾ける」ようになった方が良いのでは?てことなのです。あくまで「まずは」ですよ!
僕の書き方も良くなかったのかもしれませんが、「何も分かる必要がない」なんてことを言いたいのではありません。初心者の時は少なくとも「分かる」より「弾ける」を優先させた方が良いのでは?と僕は考えてるだけ。もっと言うと、「僕はそうしてやってきました。参考になりますか?」って言ってるだけなのです。しかも、このコーナー、「裏口入学」なのですから!
弾けるようになって、わからないなりにもそのフレーズを何度も弾いているうちにバンド仲間はこう言います。「かっこいいフレーズ弾いてるね?オルタードスケールをうまく使ってるね?!」なんて教えてくれたりして、気がつくと「わかって弾ける」ようになってますから。
次回ももう少しこの話題を取り上げたいと思っています。
ここがその後の上達、「初級から中級」に行けるかどうかの分かれ目と思うからです。
