ジャズギター裏口入学(28)
「まずどんな曲から始めるか」の中で書いてきた様に
(1)ブルース
(2)一発もの
(3)有名なスタンダード
(4)それ以外の自分でやりたい!と思う曲等
上記の考え方で僕は曲を練習していきましたが、まだ初心者だったこともあり、曲のテーマ部分を弾ける様になるのも結構時間がかかっていたので、アドリブ練習の時間がなかなか取れないでいました。ひとつ思ったことがあります。
「ジャムセッションや練習の時、ほかにフロント楽器がいる場合は、テーマを取ることが意外に少ない。」
ということでした。
そこで、テーマの練習はそれはそれで、粛々とやり続け、アドリブ練習に多くの時間を割く様にしました。
「さー、どういう方法で、何をやろう?」
結論はこうです。
(1)どういう方法で → 音源のコピー(トランスクライブ)し、譜面に書く
(2)何を → ⅡーⅤーI、ⅢーⅥーⅡ−Ⅴの部分のみを切り出してコピー
(1)はとにかく大好きなギタリストの「生きたフレーズ」を取り入れたかったからです。教則本には、よくフレーズ例がいくつも載っていましたが、実際に弾いてみると「?」ってのが多かったのです。そりゃ、そうです。自分の好きなギタリストのフレーズではないですし、そもそも音源がないので、自分は間違って弾いてるかもしれないのですから。
そして、コピーしたら面倒でも譜面に書き落としていきました。理由は2つ、読譜力がないので、「少しでも譜面に慣れるため」と「繰り返し練習するため」です。コピーしたフレーズ、それこそなん百回弾いたってすぐに身体から出て言ってしまいます。思い出した時に、譜面を見ながら練習ができる様にしておくためです。
(2)について、最初はアドリブの最初から最後まで丸ごとコピーして、音源に合わせて弾いて悦に入ってましたが、そんなことしてもあまりメリットがないなと思いました。大体、丸ごとコピーでは人前で恥ずかしくて弾けませんし、コード分析ができていないのにコピーしたって、応用(他の曲に転用する)ことができません。当時、2−5−1、3−6−2−5くらいしか知らなかったこともあって、まずは大好きなギターリストの2−5−1、3−6−2−5やコード一発の部分だけを切り出して、片っ端からコピーして、分類しながら譜面に落としていきました。
ここで大事なことを書いておきますよ。とにかく「2−5−1」「3−6−2−5」などの2小節や4小節を「ひとつの塊」と考えて丸ごとコピーして、採譜して身体に叩き込むようにしていました。
初心者の皆さんにありがちな例を書いておきますね。耳が痛いかもしれませんが。(僕も最初はそうでしたから気にしないでくださいね。)
「あれ、演奏を聴くとなんかバッキングはDm7ーG7ーC△7でなくて、なんかちょっと違った風にも聴こえるぞ。Dm7ーD♭7ーC△7みたいだな?でもアドリブはただのドレミ・・・しか使っていないぞ?!なんで?!なんでだー!」
「G7なのになんかFmのフレーズを弾いてるぞ!なんでだ?良いのか?」
ここで行き詰まって、思考回路が停止です(笑)。
とにかく、そんな細かいこと気にせず、「2−5−1」や「3−6−2−5」などと思しきものは、ひとつひとつのコードやテンションなど気にすることなどなく、まずは「ひとつの塊」としてまるごとコピーして、徹底的に繰り返し練習し、弾ける様になることが重要と思います。
誤解して欲しくないのは、テンション等を気にして弾くことがダメと言ってるのではないのです。むしろすごく重要なことと思います。僕が言いたいのは
「今この段階では(ジャズの学習過程の初心者)必要なく、もっと大事なことがある」ということです。
「理解している。でも、弾けない。」と「分からない。でも、弾ける。」
皆さんは、まずはどっちを選びますか?
(2)については具体的なやり方や思わぬ効用など色々と書き足りないことがありますので、また次回に書こうと思います。
お楽しみに!!
