ジャズギター裏口入学(27)
「同じG7でも機能(キーからの変動)により働きが違うのでは?」と感じてから、いや、もっと具体的に言うと「G7」と譜面に書いてあったら「Ⅰ7がV7かⅥ7か?」をとっさに見分けることが大切と思いました。
例えばこうです。
Key=C で次のようなコード譜があったとします。
Em7-A7-Dm7-G7-C△7
この譜面が渡されたとき今までの僕の頭の中では次のような思考回路がフル回転でした。
「この曲はキーがCだよな?!ってことは最初のEm7はダイアトニックコードの三番目のEm7か!ってことはイ..ド..フ、あっ、フリジアンスケールだな。フリジアン・スケールってどんなスケールだった?....次はA7か。CのキーでA7はダイアトニックコードには出てこないぞ??でも、G7がGミクソリディアンって書いてあるから、とりあえずA7はAミクソリディアンで弾いてみよう。あれ?なんか合わないぞ・・・。次は・・・・??」
これじゃ、弾けるようになるわけありませんよね?。ましてや、初見でアドリブソロを弾くなんて到底無理です。
「ジャズがさっぱりわからない」「いつまで経っても弾けるようにならない」っていう人は、実は僕と同じこんな状態から抜け出せないでいるのではないかと。こんな状態っていうのは、どういう状態かと言うと譜面のコードを一つ一つ切り刻んで、例えば「Dm7だからDドリアン、G7だからGミクソリディアン、Em7だからEフリジアン・・・・」こんなことを実際の曲の中で、ほんの数秒や一瞬で通り過ぎるコードの一つ一つにスケールを当てはめている状態です。こんな事やっていたらAI(人工知能)でもない限り、弾けるわけがありません。
機能に着目するようになってからは、僕は段々コード譜が次のように見えるようになりました。
Em7-A7→Dm7-G7→C△7
要はA7、G7それだけが意識の中で見えてきました。
Em7やDm7は気にしなくてもよいのか?
こう考えました。
「理論書でDm7はDドリアン、G7はGミクソリディアンって書いてある。Dドリアンはレから始まるドレミ・・・、GミクソはGから始まるドレミ・・・どうせ同じ音じゃない?!そんじゃ、気にするることはないや!」
譜面が次のように見えるようになりました。
A7/G7→C△7
コードの数が減りました。これなら、なんとか自分でも弾き分けられそうです。
文字で表すとちょっと誤解されそうなので改めて言っておきますが、「A7-G7」ではなく「A7/G7」に表記を変えたのには意味があって「A7-G7」だと「A7からG7に向かう、A7→G7」に見えてしまいます。ここで「/」にしたのはA7→G7という「動きや進行を表しているものではない」という事です。
そして、今ではこう見るようになりました。
G7→C△7
ここからは、上級レベルかもしれないですが、あえて考え方だけ言っとくと
「なんだか、色々ごちゃごちゃコードがあるけど、要はC△7に向かってるんでしょう?それだけ気にしていればいいじゃん!」
これ、パット・メセニーが「ターゲット理論」なんて言っていた概念で、「行き先が決まっていれば、どう行ったって勝手でしょう?!寄り道したっていいじゃん!」ってことです。
この「寄り道したっていいじゃん!」の度が過ぎると、いわゆる「アウト」になるのでは??と。
皆さんをかえって混乱に巻きこんでいるかもしれませんが、「僕はこのように考えて乗り切りました!」ってだけで、「これが正解!」とか「これじゃなきゃダメ」なんて押し付けるつもりはありませんので、誤解のないようにお願いします(笑)。参考や手助けになってくれれば嬉しいのですが.....。そして「裏口入学」ってくらいですから、「王道」の考え方ではありません!
それでは!!
