僕の音楽史(93)
ひとつの時代が終わりました。僕の心の中でも一つの区切りがつきました。
「レッド・ツェッペリンの解散」です。
ジョン・ボーナム(ds)が9月に亡くなった時の話はこのブログの何回か前に書いたのですが、その後ツェッペリンはどうなっちゃうのかの動向はすごく気にはなっていました。大概のファンの皆さんの考えと同様に(?かな)ボンゾのいないZepはどう考えてもイメージがわかないので、きっと解散するのかなとは正直思っていました。「ディープ・パープル」の黄金時代(?)2期で「イアン・ギラン」が抜けた時、あるいは「イエス」で「ビル・ブラフォード」が抜けた時も似たような感じでイメージがわかなかったものの、新しいメンバーで復活を遂げた例もあるので、新メンバーでの再始動も多少は期待してましたが、結論「やっぱり、これしかなかろう」という感想でした。悲しいけれど、受け入れることができましたし、今考えても「この選択しかなかったのだろう、これで良かったのだ」と思います。
精神的には、ボーナムが亡くなった時の衝撃よりは、意外に平気だったように記憶しています。やはり、ジャズ、フュージョンにどっぷりとはまっていた時期でもあり、ロックから随分気持ちが遠のいていたからと思います。それでも、1980年の年末はずっとツェッペリンを聴いて過ごしていた感じでした。


1980年の年末と言えば、もう一つ僕にとって忘れられないアルバムが発売されていました。それが下のアルバム、「カシオペア」の「メイク・アップ・シティ」でした。

このアルバムの楽曲、特に「ジプシー・ウィンド」「アイズ・オブ・マインド」、そしてタイトル曲「メイク・アップ・シティ」はアルバム発売前のスタジオ・ライブをFM東京の番組で録音し既に聴いていた楽曲ということもあり、スタジオ録音テイクを聴くことを楽しみにしていました。
そんな中で、A面最後のライト・ミュージック出身の先輩「神保彰」さんの作曲した楽曲「リップル・ダンス」は一番のお気に入りでした。ドラムの凄さもさることながら、テーマのメロディも「いかにもカシオペア!」で、もう野呂さんが作った楽曲のようです。ドラマーとして技術的な貢献をしているだけではないのだなーと改めて感じましたし、初めて「リトナー&ジェントル・ソウツ」の「キャプテン・フィンガーズ」を聴いた時の様に興奮した事を覚えています。
この後も結構長い間カシオペアを聴き続けますが、実はこのアルバムが僕は一番のお気に入りです。野呂さんのクリーン・ト―ンも大好きでしたし、ジャジーな向谷さん、切れ味の良い桜井さん、そしてスーパーな神保さん、この4人での最初の記念すべきスタジオ盤でもあり、時代も後押ししてか、もう「勢い」が全然違います。
色々なタイプのフュージョンがありますが、ある意味日本のフュージョンの「頂点を極めた作品」と思いますが、どうでしょうか?