ジャズギター裏口入学(25)
「勿体ぶっていないで、早く書いてあげなさい。」とある人から言われたので、続けて書くことにします(笑)。
僕と先輩とのやり取りです。
質問:「G7はどういうスケールで弾いたらいいです?」
返答:「G7ってどういう(どこの)G7だよ?それじゃ、わかんねーよ。」
このやり取り、その時の先輩の返答の意味が、飲み込めませんでした。
「俺の質問の意図が伝わらなかったのかな?どういうG7もくそもないよ。G7はG7だろ!」
僕がこう考えたのは何故だかわかりますか?僕は「G7はどんな曲でも、どこの小節に出てこようともG7はGミクソリディアン」と考えていたのでした。いかなる場合でもG7はGミクソリディアンで弾けば良いのだと。
「サテン・ドール」をコピーして練習していました。ご存知の方も多いとは思いますが、下が最初のテーマ部分のコード進行です。
Dm7-G7-Em7-A7-D7-D♭7-C△7
セブンスコードが沢山出てきます。僕の今までの理論で行くと「G7はGミクソリディアン」「A7はAミクソリディアン」「D7はDミクソリディアン」「D♭7はD♭ミクソリディアン」なわけです。どれもミクソリディアンなわけですから、G7のフレーズをフレット平行移動させれば何とか弾けるのかなと思い、やってはみましたが、ことごとくうまくいきません。
もうひとつ、「サテン・ドール」のG7のところでコピーしたフレーズ、同じG7だから使えるだろうと、Gのブルースの頭のG7のところで弾いてみましたが、これまたしっくりきません。
ずっとこんなことを繰り返して悶々としていたのですが、ある時先輩に言っていた「どういう(どこの)G7・・・」って意味が分かりました。
「もしかしてG7はいつもミクソリディアンて訳じゃなく、曲のどの場所にあるG7か、そもそも曲のキーが何の時のG7かによって違うってこと???だから、先輩は俺の質問に応えられなかったのか??」
そして、やっていくうちに先ほどの理解がもう少し進みました。
「曲のどの場所?」ってのは、「どういう機能のG7か?」という理解になりました。具体的に言うと同じG7でも「GのブルースのG7」と「キーがCの曲でのG7→CのG7」は違うようだってことです。
また、「キーが何の時のG7か?」ってのは「キーがCの時のG7はV7」だけれど「キーがB♭の時のG7はⅥ7」なのだから、同じ7thでも機能が違うものってことです。
今となっては、本当に当たり前の事で、笑ってしまうくらいの内容なのですが、独学で音楽教育を受けたことのない僕は実は何年もこんな状態が続き、上達を酷く妨げました。
「こんな事知らないでよくギター弾いていたな!?」と笑い飛ばす人もいるかと思いますが、一方で、僕と同じ内容で悩んで、いつまでたっても思うように弾けるようにならない初心者の方も、実はいるのではないかと思って書いています。
次回はもう少し続きを書いてみようと思います。
